機械学習により食品分析の低コスト化を実現 高精度は維持 阪大

2020年8月3日 11:49

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 従来の食品分析には高性能な光学分析器が用いられてきたが、必要な分析装置にかかるコストが高いことが課題であった。大阪大学の研究グループは7月31日、機械学習の援用により、低コストで高精度な食品分析が実現できることを示したと発表した。

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 食品の含有物の種類分別や異物混入の検出などにおいて、光学スペクトル分析の技術は広く生産現場に導入されている。しかし現在は高額な高分解能装置が必要であり、性能を維持したまま低コスト化することが課題とされてきた。

 研究グループは過去に、副尺の技術を応用した「超波長分解法」によって、安価な装置で高分解能を実現する方法を開発した。しかし、超波長分解法技術には測定スペクトル数に限界があるため、膨大なスペクトルデータが必要な分析には適用が難しいことが問題であった。

 そこで今回の研究では、機械学習を用いて必要なスペクトルデータを数%程度まで圧縮することに成功した。機械学習によるデータ圧縮には過去に高精度装置で取得された膨大なデータが用いられた。

 高分解能なデータが必要な箇所をピンポイントで特定することによって、少ないデータ量での分析が可能になったのである。このことは、低い波長分解能の民生用分光器により、低コストで高精度な分析ができることを意味する。

 今回の研究の実例として、3種類のオリーブオイルを対象とした分析実験に成功している。この成果により、これまでは困難だった高精度な光学分析の高速化・低コスト化の可能性が示された。

 IoT時代には食品分析に限らず高精度かつ高速・低コストな光学分析が、産業分野において必須となる。例えば下水などの環境調査や健康モニタリングなど、様々なIoT機器導入分野への展開も期待される。

 今回の研究成果は、7月19日から23日にかけて開催されたIEEE国際会議「ICTON2020」にて発表されている。また、イノベーション・ジャパン 2020において9月28日から11月30日の期間で特設Webサイトに公開される予定である。

関連キーワードIoT(Internet of Things)大阪大学

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