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品質管理の胆は「不良率0%を目指す」こと マニュアルや強制では実現できない
不良率0%は、実現は出来ない。しかし、その気持ちは常に0%の不良率を目指すのだ。すると、緊張して作業に気遣っていると疲れて、かえって不良を出すことになる。だから、「気を遣わない作業」を目指すのだ。つまり、「注意しながら」行う作業環境では、ミスが増えることは防げない。
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元デンソー、元トヨタグループSQCアドバイザの皆川一二氏が、若いころのデンソー時代に、スズキ自動車の鈴木会長が出席する会議で、来年の品質目標数値を発表したときのエピソードがあるそうだ。
❝「来年度の品質目標は0.○○ppmにしたいのですが、よろしいでしょうか」❞(日経XTECHより引用)
こう皆川氏が発言したところ、鈴木会長が「バン!」と机をたたきながら激怒したそうだ。
つまり、鈴木会長は、「初めから、不良が出る目標など決めてどうする」「不良を出さないことを目指せ」と言っていたのであろう。これは鈴木会長の言う通りで、これが品質保証の目指すところだ。どの様なことでも「不良を出さないことを目指す」のが、本来の姿であるということだ。しかし、品質管理において0%はありえないことだ。
作業において、注意を要する工程では必ずミスをしてしまうものだ。そこで、作業を工夫し、「注意を要しない環境」にする。作業を簡単にしたり、注意ポイントを絞り込めるように「定型化」したりしていくのだ。機械化が出来るのなら、できる限り自動機に任せられる段取りとするのが常識であろう。
しかし、その前提となるもので絶対必要なものは、人間の「やる気」である。人間は、強制されて行う仕事ではミスが増え、カイゼンもしない。そのため、「品質管理業務の胆」は「作業者が自主的に物事を進める」ようになることで、そこから始めるのだ。まず「何をしているのか?」を理解することから始めなければ、決して「自ら行動する」にはならない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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