注目が集まるNGT48のドキュメンタリー特番

2020年7月16日 16:52

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 7月15日、NGT48運営は、7月22日19時からAMEBAにおいて、『NGT48リリース記念ドキュメンタリー特番「また、あなたと一緒に歩きたい」』という番組を生配信すると告知した。

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 山口真帆さん襲撃事件の影響で、1年9カ月ぶりとなる新曲『シャーベットピンク』のリリース記念ということになっているが、通常のリリース記念特番とは異なり、ドキュメンタリーと銘打つ以上、この2年近い沈黙の時間をどのように伝えるのか非常に注目される。

 NGTの事件は、筆者も繰り返し伝えてきたが、メンバー、あるいは運営と一部のファンが繋がっており、そのファンの数名が暴走して、山口真帆さんを自宅玄関で待ち伏せ、暴行に及んだ(事件は不起訴)ことから全国的なニュースへと発展したもの。

 運営の対応は、事件の隠蔽ともとられかねないものだった。被害者の山口さんを、加害者も見ている劇場で謝罪させるという人権問題を引き起こし、劇場支配人だった今村氏は更迭(のちに解雇)。スタッフを入れ替えて第三者委員会報告による記者会見を開いたものの、その記者会見の最中に、山口さんが「事実と違う」という指摘をTwitterで行った結果大迷走した。

 後日精査して再報告するという発言もあったが実行されることはなく、運営会社は当事者である山口さん不在の民事裁判で暴行犯と和解。さらにNGTのマネージメントをいわば放棄し、新たな運営としてFloraという会社を設立。そのFloraとHKTの運営をしているMercuryの2社を支援・統括する持株会社「Sproot」の100%子会社として、再スタートを切った形である。

 現在は、当時副支配人として事件収拾にあたっていた岡田剛氏がFloraの社長となっており、Sprootの代表である渡辺洋行氏は、NGTを統括するに至った経緯をTwitterで説明、旧AKSとは関係を断ち切った存在であるということを述べている。

 このような状況を経て、久しぶりの新曲のリリースとなったわけだが、残念なことにもろ手を挙げて歓迎するという空気とは程遠い状況に陥っている。

 というのも、事件発覚後取りざたされた数々の問題について、グループとして、あるいは運営として、ほとんど総括することなく、説明も謝罪もないまま新曲キャンペーンを始めたからだ。「新生」と銘打てるほど、中身が変わっていないのではないかという疑惑を持たれてしまっていることが大きい。

 持株会社代表の渡辺氏は、あいさつ文の中で事件に触れ、再犯防止をコメントしている。だが責任者である岡田氏ら現場のスタッフがまったくそのことに触れず、表にもでないままでは、実際にどのような対応、対処がなされ、安全性が改善されたのか、再発防止は出来るのかがわからないのである。

 今回の放送がドキュメンタリーと銘打たれている以上、当然事件に関してのグループとしての反省や謝罪はあると信じたいが、残念なことに、グループ活動が出来なくて可哀想なメンバーたちという形での、お涙頂戴ストーリーになるのではと危惧する声も大きい。

 社長の岡田氏は、渡辺氏にNGTメンバーを助けて欲しいと涙ながらに訴えた責任感の強い人物ということなので、筆者としても彼を信じて、岡田氏がこの2年弱の総括をし、グループとしてのけじめをつけるシーンがあることを期待したい。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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