NYの視点:米民主党大統領候補バイデン氏が経済策を発表、大統領選挙がブラックスワンに

2020年7月10日 07:38

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記事提供元:フィスコ


*07:38JST NYの視点:米民主党大統領候補バイデン氏が経済策を発表、大統領選挙がブラックスワンに
11月に予定されている米国の大統領選挙が新たなブラックスワンとなりうる。最近の調査で、民主党の大統領候補バイデン氏がリードを広げ今のところどの世論調査でも20ポイント近くトランプ大統領をリードしている。

バイデン氏は8日、ウイルス危機や社会危機が拡大する中、7000億ドル規模の「BUY AMERICAN」経済政策を発表した。製造業やイノベーションに力を入れる。トランプ大統領の「AMERICA FIRST」政策にも類似する。

・4年間で4000億ドル規模の米国産の物やサービスを購入。残り3000億ドルをテクノロジー分野の研究、開発にあてる。
・環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加

貿易に関してはトランプ大統領が反対したTPPへ参加する意向だ。バイデン氏は、社会主義入りを否定するような経済政策を発表。どうのようにして資金を捻出するかはまだ明らかにしていない。

しかし、バイデン氏はトランプ減税を解消し、「企業はアメリカに公平に貢献すべき」と、増税や法人税の引き上げを示唆している。さらに、「株主の資本主義は終わらせなければならない」と訴えており、資本市場にとりプラスとは考えにくい。銀行など金融の規制が強化されることは必至と見られ、景気回復をさらに遅らせ、金融市場が急速に脆弱になる可能性が警戒される。《CS》

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