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タカラバイオ、PCR検査の新手法を開発 2時間で5000件の処理能力
タカラバイオは10日、新型コロナウイルスへの感染の有無を検査するPCR検査に関する新技術を開発したと発表した。およそ2時間で最大5,000件程度の検査が可能となり、現行のPRC検査と比較すると処理能力が大幅に向上する。
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新技術は、タカラバイオのアメリカ子会社であるタカラバイオUSAと、アメリカの医療関連企業バイオシンタグマが共同で開発した。タカラバイオUSAのPCR装置と試薬を用いて、1度に最大で5,184件の検体を検査することができる。反応の安定性が従来よりも向上するほか、試薬の使用量が減少することにより費用の削減効果も期待できる。
PCR検査は、鼻の粘膜や唾液を用いてウイルスへの感染の有無を調べる方法。現在主流のPCR検査はスイスの大手製薬企業ロシュの開発した手法を用いており、24時間に最大4000件程度の検体を調べることができる。タカラバイオの開発した新たな手法は、これよりも処理能力が14倍以上高いとされ、大規模な検査体制整備への貢献が期待される。
今回発表された新たな手法は現在、米食品医薬品局(FDA)による緊急使用許可(EUA)を取得するために申請中だ。今回の技術の元となった試薬を用いた検査手法は、タカラバイオUSAのアメリカ国内の顧客がすでにEUAを取得しており、新技術についても近く承認を得られる見込みが高い。
アメリカでは、通常時から医薬品などが日本よりも迅速に承認される。さらに、今回の新型コロナウイルス感染症のような緊急事態においては、より短期間で新薬などの使用を可能にする体制が整えられている。
日本では、アメリカですでに新型コロナウイルス感染症の治療薬として緊急的に使用されていた抗ウイルス薬「リムデシビル」を特例承認したケースもあるものの、米欧に比べると新たな医薬品等の実用化のスピードは劣る。このような背景から、現時点では、タカラバイオは新技術の日本国内での展開を想定していない。
新技術の開発を好感して、タカラバイオの株価は10日、ストップ高と大幅に続伸。年初来高値を更新している。(記事:万嶋せら・記事一覧を見る)
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