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米失業保険申請4000万件突破! コロナ不況の株・FXは現物オンリーで待機
米労働省の発表によると、米国での失業保険申請数は、過去10週間で4,000万件を超えたという。これは米国の労働人口比25%に及ぶ数値で、4人に1人が失業したことを意味する。
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国際労働機関(ILO)も、予てよりコロナ禍が世界中の雇用・労働へ甚大な被害を加えると警告していた。第2四半期(4~6月)レポートでは、『世界全体で3億500万人分の労働時間が減少する』と推計している。
FRBも一貫して米経済の混迷リスクを危惧していることから、マーケットはさらなる苦境に陥る可能性が高い。ならば、個人投資家は現物オンリーにポジション調整して静観するべきかもしれない。
これら3つのニュースが示唆していることは、コロナ禍が勢いを増しながら世界経済を蝕んでいる現実である。米国は特にコロナ禍の影響が強く、先のFRBの景況報告(ベージュブック)でも、米国全土で消費経済が急激に収縮したと述べている。
これは日本も全く同じ状況だ。ウイルス感染が鎮静化しつつあり、経済活動の再開が進む状況ではあるが、実体経済は減退局面からの出口が見えていないのだ。
だが、NYダウをはじめとする株式市場は堅調だ。米政府とFRBが未曽有の財政出動・量的緩和を実行し、NYダウは3月23日をボトムに力強く回復している。2カ月後の現在、25,500ドルをタッチし、コロナショック前の相場まで4,000ドル足らずの75%回復となった。日経225も同様のV字回復を見せる。だが、個人投資家はこの相場展開を冷静に分析しなければならないだろう。
世界の株価を押し上げているのは、各国の中央銀行がFRB主導で講じた空前の量的緩和策と国家予算にも匹敵する財政出動である。日銀ではデフレ脱却の政策のもと、一貫してETFを継続しており、2020年3月には東証1部上場の銘柄株の時価総額5%以上を保有するまでになった。なお、FRBがいよいよ5月12日よりETFを開始している。
つまり各国の中央銀行や政府が市場に大量の現金注入をし、コロナ対策の資金もかなり銀行経由などで市場へ投入されているということだ。そのために株・FX・デリバティブ相場が回復しているにすぎない。今後ファンダメンタル要因の悪化が確認されれば、再び大暴落・急高騰を繰り返すのは必死とマーケットも現実を見ているのが現状だ。
さて、ここで個人投資家は思案のしどころとなる。乱高下する相場でのトレードは一獲千金のうま味がある。しかし安定的な資産運用のステージとしては、これほどハイリスクな投資先はないのだ。パニック相場では明らかに資金力で劣る個人投資家が不利となり、簡単に資金を消耗してしまうのは自明の理だろう。
そこで資産運用を目的に参加する場合、コロナ禍の大シケを乗り切るために、レバレッジを極力控えた現物ポジションにシフトすべきかもしれない。現物オンリーであれば、相場がどれほど乱高下しようとも問題はない。レバレッジトレードのように追証・借金で破滅するリスクが皆無なのだ。
そして2~3年後、嵐が収まって雲間より日が差せば、耐え忍んだポジションが『待てば海路の日よりあり』と、順風満帆で回復相場の風に乗るはずである。(記事:TO・記事一覧を見る)
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