中小企業の景況感、リーマンショック以来の低水準に 日本公庫調査

2020年5月29日 07:38

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 日本政策金融公庫が5月の中小企業景況調査を発表し、赤字企業の割合が過半を超えるなど、リーマンショック後の2009年以来の低水準となったことが分かった。

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■売上動向指数が過去最悪に

 28日、日本政策金融公庫が5月の中小企業景況調査を発表した。5月の売上DI(動向指数:売上増加企業の割合-減少の割合)は-46.5で、4月の34.9から11.6ポイント下落。売上見通しDIは-62.7で4月の-44.4から18.3ポイント下落。

 どちらも2019年当初からのマイナス圏が続いているだけでなく、リーマンショックのあった09年当時(売上DIは2月に-41.7、売上見通しDIは1月に-43.1)を越えて過去最悪となった。

■利益動向なども2009年以来の水準に

 利益の動向をみると、利益額DI(利益額増加企業の割合-減少企業の割合)は-54.4で、4月の-33.6から20.8ポイント下落。黒字企業の割合から赤字企業の割合を引いた数値は-19.1で、4月の9.5から28.6ポイント下落となっただけでなく、09年以来のマイナス圏に入った。

 利益額DIは09年3月に-47.0まで下落していたが、売上動向などとともに今回過去最悪を更新した。黒字企業割合から赤字企業割合を引いた数値は09年6月に-32.4まで下落しており、5月の数値(-19.1)はそこまで至らないものの、過去に売上DIや利益額DIから数カ月遅れて底値を記録しているため、6月以降も下落した場合に更新する可能性がある。

■価格水準も低迷が続く

 販売価格DIは-11.8で、4月の-7.1から4.7ポイント下落。仕入れ価格DIは-6.2で、4月の-2.3から3.9ポイント下落。販売価格DIは2012年11月に-11.1を記録していたが、今回の調査でそれを下回った。これ以下の水準では09年4月の-21.2がある。仕入れ価格DIは、直近では16年2月の-6.7が底値、それ以下では09年3月の-17.3がある。

■従業員や生産設備は過剰へ

 従業員判断DI(従業員が不足した企業の割合-過剰な企業の割合)は-20.3で、4月の-7.1から13.2ポイント下落。生産設備判断DI(不足企業割合-過剰企業割合)は-25.8で、4月の-13.2から12.6ポイント下落。従業員判断DIは13年1月に-19.0、生産設備判断DIは13年3月に-24.3を記録していたが、どちらも更新。これ以下の水準ではやはり09年3月(従業員判断DIは-49.0、生産設備判断DIは-47.6)までさかのぼることになる。

 また、資金繰りDI(資金繰りが余裕企業の割合-窮屈企業の割合)は1.2と、4月の0.4から0.8ポイント上昇。貸出態度DI(緩和企業の割合-厳しい企業の割合)は37.6で、4月の38.9から1.3ポイント下落している。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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