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■トヨタが今期決算予測を出したことの意味
しからば、今期(2021年3月期)決算予測をトヨタが示したことは、意味があるのであろうか?『2020年4月~6月を底に徐々に回復し、2020年の年末から2021年の前半にかけて前年並みに戻る』と予想したようだが、これは的確なのであろうか?
【前回は】マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか? (10) 「集団免疫」確保までの道のり
現在が底で回復すると見ているが、秋口から冬にかけて第2波が、もしくは、5・6月の規制緩和後に小刻みに第2波、3波が来てしまうと、「検査を増やし、陽性者を発見し、確実に隔離する」ことが出来ないと、またロックダウンに近い自粛要請が行われ、トヨタの今期予測は外れる。
さらには、「新生活スタイル」を採ると、大雑把に見て経済活動は半減すると見なければなるまい。さらに、世界での動きは予測がつかない。これを読み切って乗り越えていかねばならないのが現実だ。
この予測を裏付けるに足るデータがあるはずはないのだが、そんな条件の中で、あえて今期予測を示したトヨタの勇気を認めねばならないだろう。トヨタが示した自信が「裏付けのあるものだ」と信じたい。それが「TNGA」に対する、トヨタ自身での実力評価であろうからだ。
トヨタが想定する今期予想では、マツダは極めて危険だ。「プレミアムブランド」を目指して、販売網などを刷新している最中であったのでその狙いは分かるのだが、道半ばで大変危険だ。独立していけるのであろうか?このままではトヨタの傘下に入るしかあるまい。
ホンダも危険だ。2輪部門が好調のようだが、元々利益率が落ちていた4輪部門を切り離す必要が出るかもしれない。グローバル経営者に経営を任せてしまっていたホンダが、自らのビジネスモデルを取り戻し、さらに進歩させ、利益率を回復する道のりは、「造り方を考える」ことから始めなければならないので「考えたくない」ほど遠い。
なぜなら、ホンダは「技術は買って来ればよい」として技術開発費を削減し、社内での品質管理や生産管理の技術開発を軽視してしまったからだ。その結果、サプライヤーの品質レベルも見抜けず、問題が出てからの対応となっても、サプライヤーの品質レベルを回復させる技術指導が出来ず、新型フィットの発売が延期になった事件が起こっている。
その反省の仕方すら「サプライヤーの問題」としてしまっている。その姿勢のため、【「生産技術」で平準化を進め、コストを下げ、今回のような減産時でも柔軟性を発揮する】ことが出来ないでいる。
これは経営陣が、【造り方を売っている】ことが自動車のビジネスモデルであることを知らないからだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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