米国防総省のJEDI Cloudの契約めぐり、MicrosoftとAmazonが互いを批判

2020年5月11日 08:37

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記事提供元:スラド

米国防総省の軍用クラウドシステムJEDI Cloudの契約をめぐり、MicrosoftとAmazonがお互いを批判している(Microsoftのブログ記事Amazonのブログ記事GeekWireの記事[1][2])。

軍の機密データを処理するクラウドシステムを民間が構築するJEDI CloudはAmazon Web Services(AWS)が有力視される中、Microsoftが選定された。この契約についてAWSはドナルド・トランプ大統領からの不当な圧力があったとして米政府を連邦請求裁判所に提訴し、契約に対する事前差止命令を勝ち取った。米政府は事前差止命令を受けて国防総省への差し戻しの申立を行い、連邦請求裁判所が認めている。

Microsoftは表立って意見を表明していなかったが、4月に公開された国防総省監査総監のJEDI契約に関する調査報告書でMicrosoftの入札に関する情報をAWSが取得していたことを知り、高額で入札して負けたAmazonが入札情報を手にしてやり直そうとしているなどとブログ記事で批判していた。今回、MicrosoftはAmazonが国防総省にJEDI契約に関する新たな異議申立を行ったとの通知を受けたといい、非開示となっている申立内容を知らないまま以前と同じ批判をブログで繰り返した。

これにAmazonもブログで反論。Amazonは当初の契約決定に際し6つの技術的評価要素のすべてに致命的な欠陥があったと裁判で主張しており、判事は最初の要素(有効な入札に必要なストレージの定義)で深刻な欠陥を認めたそうだ。しかし、国防総省が再定義したストレージ要件も明確さに欠け、Amazonが定義を明確に示すようたびたび要請しても反応が鈍かったため異議申立を行ったとのこと。なお、判事は残り5つの要素に対する判断を示しておらず、国防総省が1つ目の要素に限って見直しを行うと述べたため、Amazonは残り5つについても見直すよう求めているという。

AmazonはMicrosoftのブログ記事を独善的で尊大だと表現し、内容は異議申し立てから気をそらせるためのノイズに過ぎないと批判する。MicrosoftがAmazonよりいい提案をしたと信じる人はおらず、COVID-19による危機が続く現在のむらのあるパフォーマンスがそれを強調しているとも述べている。 

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