コロナの影響下で就活生はどう動くべきか

2020年5月1日 11:59

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図表1: 就職活動実施状況(単位 パーセント、出所 就職みらい研究所「就職プロセス調査」より筆者作成)

図表1: 就職活動実施状況(単位 パーセント、出所 就職みらい研究所「就職プロセス調査」より筆者作成)[写真拡大]

  • 図表2: 各月1日時点の大学4年生の内定状況(単位 パーセント、出所 就職みらい研究所「就職プロセス調査」より筆者作成)
  • 図表3: インターンシップ経験別内定状況(単位 パーセント、出所 就職みらい研究所「就職プロセス調査」より筆者作成)
  • 図表3: 企業の採用方針(出所 就職みらい研究所「緊急調査 2021年卒採用活動プロセスの見直しの現状」より筆者作成)

 コロナの影響が日ごとに深刻さを増していますが、今年の企業の採用活動は8割以上が見直しをするという調査結果が出ています。既に内々定のある学生はともかく、今まさに就職活動中という学生は、これからどう動くべきでしょうか。

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 就職に関するシンクタンク、リクルートみらい研究所が先頃公表したデータをもとに、これからの企業の動きを予測し、就活生のとるべき行動について考えてみたいと思います。

■就職みらい研究所の調査結果概要

 リクルートキャリアのシンクタンクである、就職みらい研究所が4月14日に公表した現在大学4年生の就職活動状況調査によると、例年にくらべ、今年は活動を実施した学生の割合が減少していることがわかります。(図表1参照)

 これに対し、4月1日時点で内々定を得ている学生はこの5年間で最も多い31.3%に達しています。(図表2)

 つまり、就職活動者は減少しているにもかかわらず、内々定者は増加していることになります。この理由を推測するためのデータを次に引用します。

 図表3は、インターンシップを経験した学生のうち内定を得た人の割合(青色の帯グラフ)と、インターンシップを経験しなかった学生のうち内定を得た人の割合(緑色の帯グラフ)を比較したものです。青・緑、ともに上段が現在の4年生、下段がこの春卒業した学生を表し、薄い色は3月1日時点の内定者割合、濃い色が4月1日時点の内定者割合を示しています。

 このグラフから、今年はインターンシップを経験した学生の内定者割合が高いことが読み取れます。この結果は、例年より活動者が少ないのに内定者が多いことと関係しているように思われます。

 ただ、注意していただきたいのは、両者は何らかの関係があるのは確かですが、直接の因果関係を示しているとは、言い切れない点です。

■8割以上の企業が採用活動の見直しを検討

 先ほどと同じく就職みらい研究所の公表したデータから、もうひとつ引用します。

 図表4は、4月7日に公表された「緊急調査 2021年卒採用活動プロセスの見直しの現状」からのものです。

 この調査結果によると、スケジュールの変更等の見直しを予定している企業が8割以上にも達します。

 ただ、調査後に緊急事態宣言が発表され、移動制限の要請も行われていることから、変更を迫られる企業は更に増えると予想されます。

■今後の就職活動について

 既にインターネットを活用した企業セミナーが多くの企業で実施されています。一部企業では、選考プロセスでインターネット面接をするところもあるようです。しかし、インターネット面接の場合、グループ面接やグループディスカッションのように多人数を1度に「篩いにかける」というような効率は期待できません。どうしても面接を担当する人手と時間が必要になります。

 単純に考えると、方法はふたつです。大きな会議場を手配して、学生どうしの間隔を十分あけたうえで、従来のようなグループ面接を行うか、または、思い切って書類選考で例年より絞り込むか、というところではないでしょうか。

 いずれにせよ、コロナが収束に向かい始めたタイミングで一斉に動きが活性化することはまず間違いありません。となると、学生にしてみればスケジュールが集中し、応募先の選考が重なることも十分考えられます。応募する企業の優先順位と、その理由を今のうちに整理しておくことをおすすめします。

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