ESAとJAXAの水星探査「ベピコロンボ」、最後の地球写真公開し水星へ

2020年4月19日 08:03

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ベピ・コロンボ計画による水星探査機 (c) ESA

ベピ・コロンボ計画による水星探査機 (c) ESA[写真拡大]

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 太陽系の惑星の中で最も内側にある水星。欧州宇宙機関(ESA)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)による国際水星探査計画「ベピコロンボ」が始動し、水星に向けて2機の探査機が航行を続けている。ESAは10日、最初のフライバイの際に撮影した地球の姿を公開している。これは計画により撮影される、最後の地球写真となる。

■7年かけて水星に到着

 ESAが公開した写真は、地球から1万2,700キロメートルの地点で撮影されたものだ。2018年10月20日に打ち上げられたベピコロンボの探査機は、最初のフライバイで水星に向けた軌道に乗った。

 水星探査機は7年かけて水星へと到達する。全9回のフライバイが行われ、残りのうち、2回は金星で、6回は水星で実施される。フライバイの際には、月の撮影や地球の磁場の測定など、データが収集される。探査機の最終目的地である水星での観測に向け、データをもとに装置が微調整されるという。

■太陽系惑星の形成を明かすベピコロンボ計画

 ESAとJAXAによるベピコロンボ計画は、伊天文学者ジュゼッペ・ベピ・コロンボにちなんで名づけられた。計画では、ESAによる水星探査機(MPO)とJAXAによる水星磁気圏探査機みおが運営される。

 2025年後半に水星に到達後、2機の探査機は「極軌道」と呼ばれる水星の極域上空を周回する予定だ。2026年前半に両探査機は運用を開始し、1年間データを収集する。可能ならば運用が1年延長されるという。

 水星や地球等の太陽系惑星は、若い太陽を取り囲んでいた原始惑星系円盤から誕生したと考えられている。一番内側にある水星は地球同様磁場をもつが、火星は磁場をもたない。磁場をもつかどうかは惑星内部の状態に起因し、惑星内部の状態は惑星の進化に依存するという。水星探査は太陽系惑星の形成や進化を理解するのに不可欠だ。

 水星探査はこれまで、惑星探査機マリナー10号や水星探査機メッセンジャーなど米航空宇宙局(NASA)が運営するものばかりだ。それでもなお、磁場の状態など水星には謎が多く残る。ベピコロンボ計画はこれらの謎の解明が期待されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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