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噂で売って緊急事態宣言で買う
相場の格言として有名な「噂で買って事実で売る(もしくは噂で売って事実で買う)」という手法は、今でもなお有効であるが、過去の値動きでいえば、「イギリスのEU(欧州連合)離脱是非を問う国民投票」や「トランプ大統領の勝利」がそれに当てはまるだろう。
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2016年6月23日の「イギリスのEU(欧州連合)離脱是非を問う国民投票」については、大方の予想を裏切りイギリスがEUからの離脱を決めたが、国民投票が行われるか否かという噂から株価は下げ始めている。
日経平均株価は2015年6月24日の高値20,838円から2016年6月23日の終値16,238円まで下げているが、その下げ幅は実に4,600円ほどで、離脱が決まった翌6月24日の日経平均株価は、さらにそこから1,400円ほど値を落とし、14,952円で引けた。
しかし、離脱が決まってさらに値段が崩れていくかと思いきや、7月8日に2番底をつけた後は順調に株価を回復し、離脱から1カ月も経っていない7月21日には16,740円に回復、約1,800円の上げ幅はまさに「噂で売って事実で買う」であった。
そして、同2016年11月9日の「トランプ大統領の勝利」についても、その選挙情勢がトランプ大統領優勢と伝わるごとに下げ続け、17,282円の始値から16,112円の終値まで、実に1,100円ほど値を落とした。
しかし、翌11月10日には下げ幅を全て回復、約1カ月後12月21日の高値19,375円まで、実に3,200円ほどの上げ幅を記録していることも、まさに「噂で売って事実で買う」を象徴する出来事であった。
このような出来事を経験しておくと、日本の緊急事態宣言発令前後の日経平均株価の値動きも、十分に許容できる内容といえる。
コロナショックで3月19日には16,358円まで下げた株価も、一旦はリバウンドし、3月25日には19,547円まで回復したが、この時点で日本政府は緊急事態宣言を出していなかった。
東京オリンピックの開催延期が決まると、そのコロナウィルス感染者の増加と共に日本政府が緊急事態宣言を出すかどうかに焦点が当たり、発令時の経済的悪影響が懸念されると、株価は4月3日の17,820円まで1,700円ほど株価を落とした。
しかし、緊急事態宣言がいよいよ待ったなしとなり、ついに発令となった後から株価は順調に回復し、4月10日現在は19,498円まで回復している。
このように、「噂で買って事実で売る(もしくは噂で売って事実で買う)」という値動きを意識しておくと、ネガティブなニュースをチャンスととらえることができるため、参考にされたい。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)
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