米大学が開発した新型コロナワクチン マウス実験で有効性を実証

2020年4月5日 16:52

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 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が世界中に蔓延し、ワクチンの開発が喫緊の課題になっている。米ピッツバーグ大学は2日、開発した新型コロナウイルスに対するワクチンが有効であることが、マウスを使った実験で確認されたと発表した。

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■有効性が早く確かめられた理由

 新型コロナウイルスに対するワクチンとしては、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)とバイオ医薬大手のモデルナが開発中のmRNAワクチンなど、複数の開発が進められている。ピッツバーグ大学によるワクチンPittCoVaccは、mRNAワクチンと異なり確立した方法に基づいている。従来のインフルエンザ予防接種同様に、ウイルスタンパク質が抗原として用いられている。

 研究グループは、開発したワクチンの有効性について、マウスを使い検証を試みた。「マイクロニードリング」と呼ばれる指先ほどの大きさのパッチを通じてワクチンが投与され、ウイルスを中和するのに十分だと考えられる量の抗体が生じたことが確認された。

 ワクチンを素早く開発できたのは、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)や、2012年の中東呼吸器症候群(MERS)の経験が生かされたためだ。これらのウイルスは、新型コロナウイルスに近い種であり、スパイクタンパク質がウイルスに対する免疫を生み出すことに重要だと知られている。

 マウスにワクチンを投与したところ、2週間以内に抗体が生まれたという。十分な期間追跡されなかったが、SARSやMERSでの実験と同レベルの抗体が生まれたため、有効性が早く確認されたという。

■数カ月後に臨床実験へ移行

 研究グループは米食品医薬品局(FDA)に対し、新薬の認可を申請中だという。認可されて数カ月後にはヒトによる臨床実験が開始される。

 研究グループによると、患者による実験は少なくとも1年を要するという。しかし今回の状況はこれまでとは異なるため、臨床実験にかかる期間はわからないという。医薬品開発のプロセスが改訂されたことから、通常よりも早く進展できるかもしれないとしている。

 研究の詳細は、オンライン医学誌eBioMedicineにて2日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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