水星に存在する水の一部、太陽からの距離が近いことで生成か

2020年3月20日 20:21

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記事提供元:スラド

水星には水が氷の状態で存在しているが、その一部は太陽からの距離が近いことで生成されたことを示すジョージア工科大学などの研究グループによる研究成果が発表された(Georgia Tech Research Horizonsの記事The Registerの記事SlashGearの記事論文アブストラクト)。

水星は太陽から最も近い惑星であり、昼間の表面温度は400℃に達する。一方、極付近は太陽の光が当たることはなく、熱を伝える大気も存在しないため、-200℃の低温を保つ。NASAの水星探査機MESSENGERは2012年、極付近のクレーター内部に大量の水が氷の状態で存在することを確認している。水星でも地球と同様、水の大半は彗星や小惑星の衝突で獲得したものだ。

しかし、太陽風に含まれる粒子の多くを強い地磁気がはね返す地球とは異なり、水星の磁場は地球の1%程度しかない。そのため、降り注ぐ陽子により表土の鉱物にはヒドロキシ基が結合し、昼間に温度が上昇するとヒドロキシ基は切り離されて水(H2O)が生成される。その一部は極付近に到達して氷となり、二度と融けることはない。このサイクルは数百万年にわたって繰り返されており、水星に存在する水の1割程度に相当するとのことだ。 

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