F1・フェラーリに不正疑惑、「秘密の合意」行なったFIAにも厳しい声

2020年3月10日 18:03

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記事提供元:スラド

 Anonymous Coward曰く、

 2019年シーズンのF1はメルセデスが圧倒的な強さでコンストラクターズ1位となり、次いで2位フェラーリ、3位レッドブルとなったが、フェラーリがレギュレーション違反を働いていたのではないかという疑惑により、主催の国際自動車連盟(FIA)とフェラーリがほかのチームから猛攻撃を受ける状況となっている。

 現行のF1マシンにはオーバーテイク機会の増加を目的として、DRSというトップスピートを向上させるシステムが採用されており、使用条件を満たすことで、未使用時に比べて約10km/h程度のアドバンテージを得ることができる。しかし第12戦ドイツGP後のサマーブレイクを境に、フェラーリマシンはDRS未使用にも関らず、DRSを使用する後続マシンを突き放すなど「ジェットモード」と呼ばれるほどの圧倒的な速さを発揮していた。これについて、不正な燃料供給によって追加パワーを得ているためではないかという見方が生じたのだ。

 現行レギュレーションでは単位時間あたりの燃料流量に制限があり、状態は流量計でチェックされている。レッドブルはこのチェックを誤魔化す手法は複数あると推測した。一つは測定と測定の合間に、冷却システム用のオイルを燃料室にリークするというもの。もう一つはセンサーそのものに電気信号による妨害を働きかけ、一時的に流量が規定を超えても検知されないようにするというものだ。

 レッドブルからの「こうした手法は問題ないのか」との問い合わせに、FIAは「測定を欺いて流量を増加させるのは違反である」と回答。またフェラーリマシンの冷却システムを調査し「オイル漏れ」は確認できなかったと発表した。その後迎えた第19戦アメリカGPで、フェラーリは速さを失っていた。これにレッドブルのドライバー、マックス・フェルスタッペンは「不正をやめたからだ」と発言している。

 第20戦ブラジルGPの前にはFIAが技術指令書を発行、燃料室へのオイル流入を禁止した。ブラジルGP後にも技術指令を追加し、2020年からの流量センサー増設を義務付けた。さらにフェラーリ、ハース、レッドブルの3チームのマシンから燃料システムを回収し調査したが、ここでも違反は見つからなかったという。

 仮に違反が事実で、発見されていたならばポイント剥奪は免れなかっただろうが、こうしてフェラーリは2019年シーズンを2位で終えたのである。

 各チームが2020年シーズンのマシンテストに追われる2月28日、FIAは「FIAとフェラーリが合意に達した」と発表した。この「合意」の内容が機密とされたことで問題が再燃し、メルセデスのトト・ヴォルフ代表の呼びかけにより、マクラーレン、レーシングポイント、レッドブル、ルノー、アルファタウリ、ウィリアムズの7チームが詳細開示を要求する合同声明を突きつけた。なお、フェラーリ以外の9チーム中でこの声明に参加していないアルファロメオとハースの2チームは、フェラーリからパワーユニットの供給を受ける立場である。

 FIAは、納得はしていないが証拠を突き止められず、長期の訴訟に発展することを回避すべく「和解合意」に至ったとした上で合意内容は機密であることを改めて回答したが、7チームは矛を収めず非公開の書簡を送付。「FIAにはレギュレーションを遵守させる能力がないということか」などの厳しい内容とされている。

 そこへ世界モータースポーツ評議会がFIA支持を発表し、事態は混迷の一途を辿っている。

 新型コロナウイルスの懸念により各国が入国制限を取り始め、ただでさえ2020年シーズンの開催が危ぶまれている中での騒動である。果たしてF1はどうなってしまうのだろうか。

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