挫折する確率が高い! 映画を使った英語学習の落とし穴とおすすめの学習法

2020年3月10日 06:27

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 「字幕なしで洋画を楽しみたい」として、好きな映画で英語学習を始める人は少なくない。しかし映画を使った英語学習は、並大抵の思いでは途中で挫折する可能性が高いものだ。もちろん大好きな映画を英語のまま理解したいという強い思いがあるのなら使ってもよいが、それでも、2時間もある映画を1本丸ごと見ようなどと、下手に意気込まないように注意したい。

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■映画1本丸ごと使った学習をおすすめしない理由

 英語学習用の教材は、雑音のないクリアな音声で正確に英語を話してくれる。ところが映画の場合、会話以外の雑音が多いうえに、話し方が不明瞭なこともあるし、そもそも英語のスピードが尋常でない。

初中級者の多くはこの時点で挫折するのではないだろうか。映画で英語学習するには、少なくとも雑音混じりのナチュラルスピードの英語でも、がんばれば聴き取れるぐらいのレベルに達してからにしたい。

 また映画の場合、英語学習に適した会話のシーンがそれほど多くない。アクションやホラーなど、ジャンルによってはまったく会話のないまま何分も進む映画もあるし、そうでなくとも、一言、二言ボソッと話してしばらく黙ることはよくある。会話のない部分まで見る非効率性を考えると、1本の映画を頭から終わりまで丸ごと見ようとはしない方がよい。

 それでも、使い方によっては映画が格好の学習素材になることも確かなことだ。ある程度のリスニングレベルに達した後なら、教材英語以外にもどんどん挑戦することをおすすめする。とはいえ、それでも2時間以上ある映画を1本丸ごとマスターしようというのはハードルが高い。そこまで到達する前に挫折してしまう可能性の方が高いだろう。

■1分以内のシーンを徹底的に繰り返す

 そこでおすすめしたいのが、好きな映画のワンシーンだけ切り取って、それのみを徹底的に使って学習する方法だ。徹底的にやるならシーンの長さは1分でも十分だろう。それを完全に覚えるまで繰り返すのである。

 最近のDVDなら英語字幕の機能があるし、なくても、少し有名な映画であればネットでスクリプトが見つかるだろう。まずは、それを手に入れて何が話されているのかを完璧に理解する。理解した後は、ひたすら同じシーンを繰り返し見るだけだ。

 慣れてくれば、映像から音声だけ切り出して、スキマ時間をすべて映画音声のリスニングに費やすのもいい。話されている単語もその意味もわかっているわけだから、1分の会話なら何度もループしているうちにいずれ覚えてしまうだろう。

 ここまで来たら、本物に合わせてシャドーイングするのもよし、シャドーイングとは逆に、本物より前に自分が先行して話すなんてのもよしだ。こうやって好きなシーンだけを切り取ってマスターし、また別の好きなシーンを同じようにマスターしていくという方法であれば、好きな映画を徐々に攻略しているような気分になれて英語学習がどんどん楽しくなってくる。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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