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ゴルフから電子回路設計まで、今注目されている最先端の「シミュレーション」とは
自動運転技術の高度化や電装化に伴い、ますます複雑化している電子回路では、シミュレーションがフル活用されている。[写真拡大]
「シミュレーション」と聞いて、あなたはまず、何を思い浮かべるだろう。今、頭に浮かんだ「シミュレーション」のイメージは、おそらく現在、あなたの人生において、かなり重要なものなのではないだろうか。
例えば、ゴルフが好きな人なら、シミュレーションゴルフを思い浮かべたかもしれない。高性能なシミュレーションゴルフは、技術の向上にはもちろん、仕事や家族サービスで忙しくて、なかなかコースを回れないような人のストレス発散にも持ってこいだ。しかも、自分のスイングのチェックや検証はもちろん、ボールの挙動まで映像と数字で理解できるので有難い限りだ。最近は、インドアゴルフ場やゴルフバーだけでなく、自宅での練習用に購入する人も増えているという。
ゲーム業界でも、シミュレーションゲームは人気のジャンルだ。テレビゲームでは定番の戦略シミュレーションゲームや恋愛シミュレーションゲームをはじめ、ゲームという形を通して事象の検証や学習をしようとする本格的なものも多い。2019年3月には、なんと経済産業省が、コンテンツ関連企業の戦略立案や研修で活用できるインタラクティブなシミュレーションゲーム「コンテンツの時代」の設計を始める予定であることを発表している。研究目的とはいえ、シミュレーションゲームという形式を政府が採用したことは大変興味深い。
住宅建築の際にも、シミュレーションは大いに活用されている。住宅ローンを組む際には借り入れのシミュレーションが必須だし、最近では顧客への設計の提案や営業ツールとしてVRを取り入れ、シミュレーションするケースも増えているようだ。例えば、株式会社コンピュータシステム研究所が提供している住宅用ルームスケールVRシステム「ALTA VR-Mini」 は、最新のVRシステムによって、新築やリフォームの際に間取りやインテリアなどの配置だけでなく、日当たりのシミュレーションまで体験できるという。慣れないパースや図面、カタログ等を目で見ても素人には分からないが、これならば住宅の知識が全くなくても、体験としてシミュレーションできるので、建てた後のトラブルや失敗、後悔も少なくなるだろう。
さらに専門的なところでは、自動車の設計でもシミュレーションは活用されている。特に自動運転技術の高度化や電装化に伴い、ますます複雑化している電子回路では、シミュレーションがフル活用されている。
そんな中、半導体メーカーのローム株式会社〈6963〉がこの度、SiCパワーデバイスと駆動ICを一括検証できるWebシミュレーションツール 「ROHM Solution Simulator」をロームHP上で無償提供することを発表。国内外から注目が集まっている。同ツールは業界でも珍しいパワーデバイス製品と IC製品を一括検証できるシミュレーションツールで、中でも SiCデバイスと SiCを駆動するゲートドライバ ICの一括検証は業界最先端の取り組みだという。
また、同シミュレーションツールは、電子設計自動化ソフトウェア業界大手のメンター,シーメンス・ビジネス製のシミュレーションプラットフォーム「SystemVision Cloud (SVC)」とも互換性がある。SVCは、今後自動運転などでSiCデバイスの普及が見込まれる自動車業界や産業機器業界での実績が多いメンター社製のシミュレーションツールだけに、より実使用に近い環境で検証することも可能だ。実機での評価前に回路の間違いやトラブルを発見できるシミュレーションツールは、電子回路設計者やシステム設計者のアプリケーション開発工数を大幅に削減することができるので、自動運転の発展や実現にも貢献することになるのではないだろうか。
世の中には様々なシミュレーションがあるが、こうして並べてみると、いずれもローリスクでハイリターンなものが多い。個人でも企業でも、積極的に取り入れて、効率的にステップアップを図りたいものだ。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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