英会話、文字を読むと上達しない?

2020年2月26日 08:56

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 日本では中学から高校にかけて、少なくとも6年間は英語の授業を受けることになっている。だが、日本在住の外国人が持つ共通の印象は「先進国のわりに英語が話せなさすぎる」である。

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 その一方で、英語の読み書きは得意なようだ。大学入試センター試験公式サイトによると、2019年度の英語の平均点は61.65点で、過去10年遡っても2016年度の56.21点が最低である(いずれも100点満点換算)。

 50点を超える平均点だが、それに反して英会話力は壊滅的である。これが何を意味しているのか。つまり、文字の読み書きが英会話力向上の妨げになっているのではないか、ということだ。

■文字の読み書きは高レベルなもの

 1世紀頃日本に中国から漢字が伝えられ、漢字の読み書きが一般的に浸透し始めたのは6~7世紀頃と言われている。日本語のみならず、どの言語も文字というのは言語よりも後に生まれるものだ。

 ここで言いたいのは、文字の歴史についてではない。必ず言語が先で、その後に文字だということ。喋ることができる人が、それを記録する為に読み書きを学ぶのである。当然、読み書きができない人もいただろう。文字の読み書きは話すことよりも一つ上のレベルのものなのだ。

 そして何故か日本人は、英語を話すことよりも、それよりもレベルの高い英語の読み書きからスタートするのである。いきなり8段の跳び箱を跳べと言っているようなものである。英語がいつまでたっても話せないというのも、無理はない。

■英会話の上達には童心にかえるのが一番?

 何事もいきなりハイレベルなことをしていては習得は難しい。では、どうすれば良いのか?言葉を習得するには、童心にかえるのが一番だ。

 どういうことかと不思議に思う読者も多いだろうが、まずはどのように日本語を学んだか思い出してほしい。いきなり文字を読まされただろうか。そんなことはないはずだ。耳で聞いたことをそのまま言葉にしていたのではないだろうか。

 実際に子どもの方が語学の上達が早いと言われている。「子どもの方が耳が良い」「脳みそが柔らかい」等、科学的な話をするつもりはない。聞いたことをそのまま言葉にする「素直さ」が重要なのだ。これはもっとも自然な言語習得方法だと言えるのではないだろうか。

■文字を読まないことのメリット

 例えば「cut」という単語。今、この文字を読んで頭の中で「カット」とカタカナに変換した人は少なくないだろう。これを「カット」と発音するのは日本人だけだ。文字を読むということはそういうことなのだ。

 自然な発音ならcutの「t」は殆ど発音されない。文節の中では消えるか、次の単語に繋がってしまい「ト」の音ではなくなる。文字を読むくせを止めると、「cut」を聞いた時に「カット」と変換しなくなる。

 聞いた言葉を脳内で日本語に変換する前にイメージが浮かぶようになるのだ。文字を読むというのは、無意識で行う自然な行動だ。だが、英語学習においては一旦「文字を読むのを止める」というのを試してみてはいかがだろうか。(記事:newpowersoul・記事一覧を見る

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