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TRAPPIST-1を周る7個の地球型惑星 大気はどこから来た?
アストロバイオロジー研究所は1月31日、TRAPPIST-1(トラピスト1)を周る地球サイズの7つの惑星について、大気形成過程の理論的検証結果を発表した。
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■TRAPPIST-1(トラピスト1)
TRAPPIST-1は地球から39.13光年の距離にある赤色矮星である。天球上ではみずがめ座φ星の近傍に位置し、星座図では水瓶からながれる水の中ほどに当たる。
質量は太陽の0.08倍、直径は木星とほぼ同じ大きさと、恒星としては最も小さい部類に入る。2016年5月にこのサイズの恒星としては初めて、惑星を持つことが確認された。
■ハビタブル惑星
TRAPPIST-1の周りを公転する7つの惑星は、いずれも地球サイズの惑星であり、そのうち3つはハビタブルゾーンに位置している。
ハビタブルゾーンとは、惑星の表面で水が液体の状態で存在可能な領域のことである。恒星からの距離によって決まるが、TRAPPIST-1の表面温度は摂氏2300度と超低温なので、ハビタブルゾーンは中心星に非常に近い範囲となる。
惑星の環境を考える上で、惑星が持つ大気の量やその組成も重要である。実際に現在の地球の平均気温が摂氏約15度に安定しているのは、水蒸気や二酸化炭素等の温室効果ガスによるところが大きい。
■惑星の大気の起源
惑星の大気の起源としては、「一次大気」、「二次大気」の2つがある。
一次大気は原始惑星系円盤ガスが惑星の重力により降着したもので、水素やヘリウムを多く含む。
二次大気は火山ガスなどの惑星内部の地質活動によるものや、外部からの天体衝突によるものがあり、二酸化炭素や水蒸気を多く含む。
水素分子も温室効果の原因となることがあるため、惑星の環境を考える上で一次大気の存在有無も重要になる。
■今回の研究内容
TRAPPIST-1周りの7つの惑星のうち、6個については過去の観測から大気の存在が予想されている。今回の研究では、TRAPPIST-1周りの7つの惑星について一次大気を保持できるか理論的に検証した。その結果次のようなことが分かった。
・惑星形成段階で質量の0.01%から数%程度の一次大気が存在した可能性がある。
・その後、恒星からの放射にさらされることで一次大気はすべて宇宙空間に逃げてしまう。
このことからTRAPPIST-1の周りにある7つの惑星が現在も大気を持っているとすれば、
それは二次大気ということになる。
今回の研究結果は「The Astrophysical Journal」に1月28日付で掲載された。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る)
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