VW・Tクロス日本発売開始 激戦小型SUV、トヨタ・RAV4、ライズetc

2020年2月3日 09:03

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フォルクスワーゲン・T-Cross(欧州仕様)(画像: フォルクスワーゲンの発表資料より)

フォルクスワーゲン・T-Cross(欧州仕様)(画像: フォルクスワーゲンの発表資料より)[写真拡大]

 フォルクスワーゲン(VW)・Tクロスのボディサイズを見ると、日本国内でヒットしているトヨタ・RAV4より小型で、トヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキーより一回り大きいと言った位置づけだ。VWは、日本国内激戦の小型SUVクラスに参戦となる。VW・ゴルフと言えば、小型車の世界のベンチマークとなった車種である。

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●フォルクスワーゲン・Tクロス:

 全長×全幅×全高=4,115×1,760×1,580mm
 ホイールベース=2,550 mm
 車両重量 1,270 kg

●トヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキー

 全長×全幅×全高=3,995×1,695×1,620 mm
 ホイールベース=2,525 mm
 車両重量     980[1,050]kg

●トヨタ・RAV4:

 全長×全幅×全高=4,610×1,865×1,690 mm
 ホイールベース=2,690 mm
 車両重量      1,630kg

 トヨタ・カローラも1966年にデビューした時には、ゴルフの前身であるビートルを目指して作られたのであろう。その当時は、まさかVW・ゴルフと世界で覇権を争えるほどになれるとは思わなかったが、現在トヨタ・カローラは世界150カ国以上で活躍しており、ここ数年、年間生産台数で世界1位を記録し続けている。今度は、小型SUVでも世界のベンチマークを争っていくことになるのであろうか。

 価格においては、日本国内では200~300万円前後での争いであり、多少Tクロスが高めであろう。Tクロスは、4WDもラインナップするトヨタ車に対し駆動方式ではFWD(前輪駆動)のみであり、燃費では少々有利ではある。そのため、最近のラフロード走破性能向上を目指すSUVとしては、物足りなさが残る。SUVのスタイルだけを求めるユーザーに限られるだろう。

 Tクロスのエンジンは最高出力116PS、最大トルク200N・mで、車重に対して必要十分と言ったところだ。トヨタ車も同じようなものだが、トヨタ車にはAWDが選択できることで市場が広がっている。

 ミッションは、VWがヨーロッパの伝統であるようにDCTであり、トヨタはCVTとなっている。VW、トヨタともに進歩しているが、燃費のためにはトヨタの新開発ギア付きCVTが理想なのかもしれない。ラバーフィールと嫌われていたCVTも、1速側、オーバートップ側ギアとの組み合わせで改善が進んで高性能となってきている。

 DCTは旧来のギア生産設備が使えるメリットがあり欧州では普及してきたようだが、多板クラッチの消耗が気になる車種もある。CVTは段付きギアのフィーリングを持たせたものなど、最近は工夫がされてきている。

 なんと言ってもワイドレンジ化を進めながら変速の素早さが進んできており、アクセルワークとの違和感を覚えることができるのは、プロドライバーにほぼ限られると言えるのであろう。

 VW・Tクロスは1リッター直列3気筒直噴ターボ7段DCTだが、最近各車で3気筒エンジンが用いられることが多くなった。昔に比べ、1リッター当たり100馬力のエンジンを苦も無く実現していることで、ターボーチャージャー技術の進歩に驚かされる。

 最近、アイポイントの高い運転席の着座位置が好まれる時代になっているが、それがクロスオーバーSUVのジャンルが広がる基礎ともなっているのであろう。この先、フォルクスワーゲン(VW)・Tクロスが世界共通のベンチマークになるのか、日本車が今度は取って替われるのか?興味深いクラスである。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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