「ミレニアム世代」と「Z世代」に見る学習意識の変化

2020年1月30日 12:37

印刷

■「Z世代」とは

 「Z世代(ジェネレーションZ)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。Z世代とは、1990年代半ば以降に生まれた現在の20代前半以下にあたる世代である。

【こちらも】若者の本音聞く対話で炎上リスクを抑制、「LINEでZ世代会議」開始 dotなど

 少し前まで、こうした若年層を語る時に用いられたこと言葉が「ミレニアル世代」だ。これは1980~90年代に生まれた層で現在の20代半ばから30代前半の層であり、Z世代の前にあたる。

 ミレニアル世代とZ世代の情報価値観の差異について紹介しよう。

■「ガラケーネイティブ」か「スマホネイティブ」か

 ミレニアル世代と同様にZ世代は「デジタルネイティブ」世代だと評される。

 物心ついた頃からデジタルデバイスに囲まれた環境にあり、インターネットを使いこなす。ミレニアル世代とZ世代の主な差異は、Z世代の方がデジタルデバイスとより親密な距離感を持っていることである。

 例えば、初代iPhoneが発表された2008年において、ミレニアル世代は10代半ば~20代前半だったが、Z世代は10代前半以下であった。

 よりわかりやすく例えるならば、高校生になって初めて与えられたモバイル端末がミレニアル世代は「ガラケー」、Z世代は「スマホ」ということである。

 ガラケーとスマホとを比較するとそれぞれが扱う情報差は格段に違う。ガラケー時代にはスマホで当たり前の「アプリ」を入れて機能性をカスタマイズする概念もなければ、動画などの大容量データを高速で通信する技術もなかった。

 ミレニアル世代はガラケー時代を生で体感しているが、Z世代にはそれがない。

 Z世代は常に膨大な情報をオンライン通信でやりとりできるモバイルデバイスがそばにあることが普通なのである。この情報量の拡大は、二つの世代の意識に大きな影響をもたらしている。

■受動的なミレニアム世代、自発的なZ世代

 その意識の差の一つが「学習」に対する姿勢のあり方である。

 常に膨大な情報が身の回りにあるZ世代は、自ら情報を取りに行く姿勢が見て取れる。情報量が莫大な分、取捨選択する術を身につけているのだ。学習に関しても、学習アプリやYoutubeなどの動画配信サービスで得られる情報を個人で自発的に得ることを好む。

 一方、ミレニアム世代は情報をサーチする術は備えつつも、自発的に取りに行くまではない。与えられる情報を受動的に取り入れ、グループ学習を好む傾向がある。

 こうしたZ世代の個の自発性は、「カスタマイズ」することが当たり前という価値観のもとに形成されている。先述したガラケーとスマホとの比較においても、カスタマイズ性の高さはスマホの方が格段に上である。

 この意識の差が両者の学習スタイルの違いにもつながっている。

 画一的で受動的な学習スタイルは、Z世代以下の年齢層においては終焉を迎えていると言っても良いだろう。

 これから受験や進学を迎えるZ世代の学習意識に目を向けることは、Z世代を子供に持つ40代以降の世代にも重要な視点ではないだろうか。

関連記事