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日本カー・オブ・ザ・イヤー2019-2020のトヨタ・RAV4(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]
今年も日本カーオブザイヤーが決まり、自動車業界の趨勢が見えてきている。しかしこの激変の時代の中で、方向性の違う自動車、例えば「ジャガー・Iペース」と「ホンダ・N-WGN」を比較することが出来るのであろうか?と疑問がわく。自動車ジャーナリストたちが「社会にインパクトを与えた1台」に注目するとしているが、これも主観でしかない。だが、自動車に「良い出来と悪い出来」と言えるものが存在するのも確かなことだ。
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■2019年の価値基準
2019年の価値観には、旧態依然とした「パフォーマンス」を車に求める層と、地球温暖化に際して「燃費」を最重要視する層がみられ、どのような関係性を見つけたらよいものかと試行錯誤している風にも見える。その中で、「ジャガー・Iペース」のようにBEV(Battery Electric Vehicle)、つまり、パワーシステムがバッテリーによる純粋なモーター駆動のみのクルマがいよいよ実用の域に達してきたことがある。
それまでテスラのBEVが注目されており、「自動車メーカーでない企業が造った自動車」と「ガソリン自動車メーカーだった企業が造った自動車」の違いをジャーナリストたちも感じているようだった。しかし、その違いを出来上がった車の特徴から「嗅ぎ取っている」ようではあるが、根本的な価値観の違いを見つけることはできていない。
■ジャーナリストたちは何を評価したのか?
こうした価値観の混乱の中で、「社会に対するインパクト」を重要視するのなら、むしろ「ユーザーの人気投票」のほうが正確に評価できることもあり得るのではないだろうか。しかし、自動車は「商品」であるのと同時に、「文化」の側面と「技術」や「経営」などの側面があることは明白だ。
・デザイン(内装・外装・カラーを含め)
・パッケージング
・動力性能
・操縦性能
・設計技術
・製造技術
・生産技術
・コストダウン
・生産技術
・利益率
・資金効率
など、多岐にわたる専門的知識を理解できていないと「総合判断」はできない。
現状の日本カーオブザイヤー選考委員が、これらすべての面で評価できる知識を有しているとはとても思えない。むしろ評価できている側面は、「ユーザー視点」であると言えよう。それは、「マニアックな人気投票」とでも言える評価基準であり、世相を反映しているかもしれない。
しかし自動車には、たとえ「経済新聞記者」が加わったとしても評価しきれない現在の自動車産業のビジネスモデルが存在するのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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