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「羊の皮を被った狼」スカイライン400R FR、最高出力405PS・最大トルク48.4kgf・m
スカイライン400R(画像: 日産自動車の発表資料より)[写真拡大]
2019年に大幅なマイナーチェンジで追加されたスカイライン400R、これは純粋なガソリンエンジン車である。FRで、フロント1000kgリア780kgのバランスだ。正確な50:50ではない。また、405PSの数値が表すのは、高回転型エンジンではない。ツインターボの低回転トルクの強いエンジンだ。
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筆者は、名車に連ねられるR32スカイラインGTS-4のオーナーだった。本当はこのタイプのGT-Rの4輪駆動に乗ってみたかったが、日常の足として使いたかったためGT-Rを諦めたのだ。現在、GTS-4を手放したことを含めて、R32GT-Rを買わなかったことを深く後悔している。
また、筆者が免許取り立ての頃は、スカイライン1500セダンを父が所有しており、少しだけ乗らせてもらったことがある。その時、発売された初代スカイライン2000GTはあこがれだった。当時の車両販売価格は92万円ぐらいであったと思う。「いつか買う」と心に決めていたが仕事が忙しく、日産・ローレル、日産・セドリックを仕事に供する選択をしてしまっていた。
その後、時間にも懐にも少し余裕が出てきたころ、スカイラインがモデルチェンジしてR32となった。そのクルマは運動性能を重視しており、ボディそのものは縮小してきていた。初代スカイラインGT-Rが4ドアセダンから2ドアハードトップとなった時、あえて旋回性能を上げるため、ホイルベースを短縮してきたときの感動がよみがえっていた。
これは「羊の皮を被った狼」が再び目の前に現れてきたのだと感じて、購入したい欲望を抑えきれなかった。しかし、さすがにGT-Rを日常の足として手元に置いておく勇気は出なかった。自ずとGTS-4の選択肢を諦められずに購入することとなった。なぜかベンツSクラスを仕事で乗りながら、スカイラインGTS-4を周囲に隠して乗っていた。
あれから30年、帰ってきた「狼」と感じたのが今回マイナーチェンジしたスカイライン400Rだった。環境のことを考えれば、いまどき造ってはならない排気量アップだ。しかし、ゴーン経営によってスカイラインからGT-Rを切り離されてしまった無念さが、今更ながら「これほどのもの」とは自分でも自覚できていなかったことに気づく。それほど400Rを歓迎する気持ちがすごく、「子供じみている」とさえ感じてしまうのだ。
スカイライン400Rのエンジン性能は405PS/6400rpm、48.4kgf・m /1600-5200rpmで、かつての高回転型エンジンとは違うが、これがかつてもアメリカンGTを目指してきたスカイラインGTであり、R32GTの再来だと感じ取れる。日産・スカイライン オーテックバージョン(R32型)は、たしか2.6LNAエンジンに改装していたと覚えている。
オーテックでは、その当時のターボラグを見逃せないマニアに向けてターボを外したのであろう。今度の400Rではターボラグを嫌って、標準車のターボを大径にすることを避けている。同じ径で回転数を上げて馬力アップをしているようだ。日産のスカイラインへのこだわりを歓迎したい。400Rは「羊の皮を被った狼」の再来であることは間違いない。
また、フロント1000kgリア780kgのバランスは、老齢マニアにフロントヘビー丸出しの初代スカイライン2000GTの面影を偲ばせるものであり、スカイライン400Rに懐かしささえ感じるのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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