米国でベーシックインカムの実証実験が広がる

2019年12月18日 08:46

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記事提供元:スラド

 taraiok曰く、

 政府や自治体がすべての国民・住民に無条件で一定額を定期的に支払う「ベーシックインカム」の実証実験が広がっているようだ。その1つである非営利団体の「Springboard to Opportunities」が、ミシシッピ州に住む無作為に選ばれた20人の女性に対し、月額1,000ドルを支給するテストを行っているという(NBCNews)。

 また、米国大統領候補の一人、アンドリュー・ヤン氏はベーシックインカム導入を公約に入れている。氏はベーシックインカムをコンピューターに仕事を奪われるような人の貧困と所得の不平等を減らす方法の1つとして考えているという。現在、氏は14人を対象に試験的に「Freedom Dividend Pilot Program」というベーシックインカムを実施している。このFreedom Dividend Pilot Programでは、1年間に月額1,000ドルを受け取ることができる。なお、米連邦選挙委員会は、このプログラムがヤン氏のポケットマネーから支出されていないことから、違法な行為になるのではないかとみているようだ(CBS MoneyWatch)。

 カルフォルニア州ストックトン市でも28歳の若き市長Michael Tubbs氏がベーシックインカムを提唱している。同市でも実験的に年収が46,000ドル未満の125人に対し、月500ドルを支給している。ほとんどの参加者は、ベーシックインカムの支給金額で食料品を購入し、働いた給与は借金の返済に充てていたという。この結果はベーシックインカムがストックトン市に利益をもたらすという自信につながった。さらには所得の不平等の国家的解決策としても役立つと語っている(Business InsiderSlashdot)。

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