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ホンダ流「ワイガヤ」のすすめ 議論できなくなった現代人 ホンダは再生できるのか?
(c) 123rf[写真拡大]
ホンダがピンチだ。四輪部門の営業利益率は1.9%(2018年4月期~19年3月期)となり、出口が見えない。あの本田宗一郎が率いた「革新技術のホンダ」が、平凡なクルマしか生み出せなくなった。
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トヨタのTNGAといった組織運営の先進性もなくしている。「混流生産・順序生産・スウィング生産・モジュール設計・モデル設計」などの現状必要な、または、これから必要となる技術開発でも目立たない。「革新性」のない平凡な組織としか見えない。
F1チームを取材したあるテレビドキュメンタリーでは、「覇気のない」メンバーの様子は痛ましかった。メンバー同士で激論を交わす雰囲気はまるで感じられない。「現代若者の特性」なのであろうか?
ホンダには「ワイガヤ」と言われた、独特の議論の場があった。3日3晩泊まり込んでの議論もあったようだ。世間を見ても、「議論」をすることを嫌う人々が増えた。「議論」をせず、「いじめ」をするのだ。正面から律義に議論することを「喧嘩」とでも思っているのであろうか?「ケチつけるのか!」と、議論をしようとするとキレてしまう人が多い。
さらには、議論を「避ける、逃げる」といった行動に出る人もいる。これは「100%勝つか、100%負けるか」しかないといった感覚だ。「議論とは、互いの考え方を理解して、新しい考えを生み出すこと」とすることが出来ない様子だ。
つまり、「自分とは違う考えを許容できない」様子が見て取れる。これでは、かつてホンダが得意だった「ワイガヤ」は成り立たない。「相手の考えを理解する」ことから、議論が始まることを知らないのだろう。「実現すべきイメージ」さえ共有することが出来ない。
データでものを言うと「答えが1つ」のように感じる。すると、人事権を持つ者に「忖度」が先走ることとなる。「無難」にデータに忠実に言動することが正論となる。しかし、データは「過去」を表示しているだけで、「これから」を表してはいないのだ。
トヨタが、今年の東京モーターショーで「副社長会議」を再現して見せていた。豊田章男社長と副社長たちだ。その冒頭で、「我々はデータを用意して話し合わない。データでは遅くなってしまうからだ」と言いつつ「データを表示している」のは面白かったが、そのデータは「ユーザー向け」であり、実際にはその程度のデータは副社長たちには「基礎知識」で既に織り込み済のものであったのだろう。一般的認識のレベルを表していただけだ。
『これからを語る議論で、過去のデータは基礎知識でしかない』これは新発見だった。私も年老いたものである。ホンダの「ワイガヤ」を再現することが、ホンダを再び活気ある企業にすることに繋がるのは間違いない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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