関連記事
氷河期到来の予兆か? ヨーロッパ各地で季節外れの大雪
地球温暖化を防ぐため、二酸化炭素の排出量削減が世界的に叫ばれているが、現在は温暖化よりも寒冷化の予兆が見え始めているという。
【こちらも】日本の常緑広葉樹は最後の氷河期をどう過ごしていたか、阪大などの研究
11月23日には、イタリアで118cmの積雪が観測され、アルプスでは最大200cmの積雪が予想されている。これらの積雪量はヨーロッパにおいても11月ではありえない数値である。
ところで、なぜ氷河期が到来するのか皆さんはご存じだろうか?
厳密な言い方をすれば、人類は氷河期が到来するメカニズムについて完全に解明できていない。つまり、我々は厳密にいつ頃氷河期が到来するのか、科学的な根拠を以って、明確に予測することは不可能なのである。
また、人類は氷河期到来のリスクについて過小評価をしている。それは、現在世界中で叫ばれている地球温暖化のリスクと比べたら、はるかに甚大で、人類の9割が死滅する恐れすらはらんでいる。もちろん人類だけではなくその他の生命が大量絶滅の危機にさらされる。
季節外れの大雪のニュースとて、ひょっとしたら氷河期到来の前兆であったと後から振り返って気が付いたのでは遅いのである。万が一にそなえるため、ここでは、有力とされている氷河期到来の原因説を紹介するので、参考にしてほしい。
最初に紹介するのは太陽活動に起因する説である。太陽活動は常に一定ではなく、活動が活発な時期とそうでない時期がある。これは黒点の数を観測すればある程度把握ができる。黒点が多い時期は太陽活動が活発だが、黒点が少なくなったり、観測されなくなると太陽活動は活発でなくなる。
最近では17世紀のマウンダー極小期が知られており、1677年に描かれたテムズ川が凍り付いている絵画は、印象的である。この時期、ヨーロッパでは食糧不足により、人口減少が起きている。ただ、太陽活動に起因する寒冷期の到来は期間的には数十年から100年程度で、人類滅亡の危機となるような何万年にも及ぶ氷河期到来はもたらさない。
ちなみに、今年4月にアメリカ海洋大気庁は、今年後半から2020年の初めにかけて太陽活動極小期を迎えるとの予測を出している。
次に紹介するのは地球起因説である。といっても複雑な要因が複合的に関係しているため、ここでは主な要因を分かりやすく説明する。まずは、地球の歳差運動である。地球は2万5800年周期で、地軸がコマのような揺動運動を繰り返している。つまり周期的に太陽に対する自転軸の傾きが変化している。この傾きが大きくなれば、日照時間が短くなる地域が増え、そこでは寒冷化が進む。
次に大陸の配置である。暖流の流れを阻止するような大陸配置にある場合、地球の寒冷化が起きると考えられている。歳差運動と大陸配置の悪条件が重なると、長い氷河期が訪れるということになる。
最後に銀河系移動説である。太陽系は2億年周期で銀河系を周回しており、太陽光を遮る原因となる分子雲が存在する領域を通過する期間は寒冷化が進むと推測されている。
今回の大雪の原因は、太陽活動の極小期が関係している可能性が高いと思われるが、何万年も続く、大氷河期の予兆でないことを祈りたい。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
関連キーワード