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コンビニのカラクリ(3) おでんの手間は並みじゃないのに、煮込んだ頃には廃棄が迫る!
何とかやっているというコンビニのオーナーにとって、契約から15年前後に到来する契約更改が頭から離れない筈だ。双方が円満に契約更改に同意できれば何の問題もない。本部にとっては2万分の1の話だから、ややこしい話を持ち掛けて来る加盟店との契約更改は鬱陶しいことだが、加盟店のオーナーにとっては死活問題そのものだ。睨まれて契約更改の支障になることが怖くて、本部に言いたいことも我慢してきたオーナーは多いだろう。
【前回は】コンビニのカラクリ(2) 加盟店の”涙の廃棄処分”も、ロイヤリティ算出のもとに
そんな閉塞感満載のコンビニにやっと動きが見えてきた。
報道内容を見る限り24時間営業に関する各社の姿勢は、相当弾力的なファミリーマート(ファミマ)と、本音では時短営業を進めたくないと感じさせるセブン、その間のスタンスを取るローソンといったところだろうか。いずれにしても、表立って時短営業を頭ごなしに否定するチェーンはなくなった。今年2月に東大阪のセブンが時短営業を公表した際に、契約解除と1700万円の違約金を求められたことを考えると、まるで別の国の出来事だったかのような変わりようだ。
おでんに頭を抱えていた店舗も多かったようだ。
おでんは鍋の具材ごとに、例えばつみれが3時間、こんにゃく5時間、大根8時間という販売の目安時間が決まっていて、時間を経過した具材は廃棄処分となり、廃棄時刻を記録することになっている。補充や温度管理などを考えると、相当「重たい」商品である。
コンビニの客単価が600円とすると、1日に1000人の人がおでん鍋の側で支払いをすることになる。中には体調の悪い人もいるかも知れないし、出入り口が最低2000回も開閉すると、風の強い日には舞うものも多いだろう。もともと、衛生面ではコンビニの店頭にあることに疑問を感じさせる商品だが、2月にはおでんを対象にしたバイトテロも発生し、売上にも悪影響が見られるという。
加盟店がおでんを敬遠するのは、手間ばかり掛って廃棄が多い商品だということだ。表立って口に出しにくかった「おでん」の取扱いを辞めると公表する加盟店が出てきたのも、時短騒動の副産物だろう。その話題がセブンの加盟店から出てきたのも象徴的だ。
売上よりも廃棄費用が多かったとこぼすオーナーが出て来るほどの商品だが、本部の担当者に「おでんの販売を中止する」と伝えると「おでんで減った売上の代替策」を詰められるというから、未だに本部担当者の頭は切り替っていない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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