スバル・新型レヴォーグ、SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)適合で登場

2019年11月20日 08:39

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新型レヴォーグのプロトタイプ(画像: SUBARUの発表資料より)

新型レヴォーグのプロトタイプ(画像: SUBARUの発表資料より)[写真拡大]

 東京モーターショーで発表されたスバル・新型レヴォーグで、全てのスバル車種がSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)適合となった。スバルは、マツダやトヨタほど「共通化・平準化」に熱心ではない。それは北米市場での利益率の高さあるからで、必要性が感じられていないのであろう。「プレミアム・メーカー」の地位を少しばかりユニークな販売施策によって得ている。

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 しかし、現代の自動車メーカーにとって、「平準化」を求めないのは致命傷になることが考えられる。スバルの生産拠点は北米向けに限られており、スウィング生産などの必要性がさほど感じられない。それが固定費削減の必要性をシビアに感じられない原因と思われるが、SGPの採用により、サプライヤーを含めて製品企画段階からモジュラー設計などを推進する必要性が、身に迫ったものとなってくるのだろうか。だがこれも素晴らしいことで、優れた「販売政策」によってもたらされたプレミアム感が利益率の「命」となっているのであろう。

 北米スバルが「スバリスト」を取り込んで販売に役立てているのだが、これはどのような業界でも「ファン」を大事に、そして協力関係を築くのが重要であることを示している。そして、スバル車の「商品力」を作り上げるのに必要な技術的特徴が「フルタイム4WD」と「ボクサーエンジン」であり、それがユーザーにとって見た目にも分かりやすかったことが幸いしている。さらに、そのメカニカルの特徴を生かしてユーザーに訴えかける商品を作り上げてきたことが、今の「利益率が高い」との成功に結びついている。

 さて、これからなのであるが、SGPなど基礎的な生産システムと結びついた商品構成を作り上げていれば、今度はHV・EVなど4WD・ボクサーエンジンに替わる技術開発を目指すことで、成功への道となる。日産やホンダなどは、この基礎的生産システムの構築を怠っているため、単発のヒット車種を作り上げても利益率に結びつかないでいる。自動車産業の基礎は「造り方」によって「資金効率が決まる」ことにあるのを学ばねばならない。

 また、スバルデザインの特徴は「面の処理が美しい」ことにある。曲線から面の処理に移りつつある流行に沿っているのかもしれない。こればかりは「感覚論」であり、マーケットリサーチに頼るしかない。新型レヴォーグが、スバルの新世代の商品群最後となる登場だが、美しい面処理を見せるデザインを眺めながら期待していよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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