TISが「帳票振り分けAIサービス」を開始 AI-OCR業務を効率化

2019年11月18日 08:02

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「帳票振り分けAIサービス」の概要(画像:TIS発表資料より)

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 TISは、大量の帳票をAIが自動で振り分けを行う「帳票振り分けAIサービス」の提供を開始した。金融機関や不動産業界などでは、利用者が記載する帳票だけでも複数存在し、これをOCRで読み込ませるだけでも煩雑な操作が必要となる。「帳票振り分けAIサービス」は、インプットフォルダに格納した帳票をAIが識別し、各帳票フォルダに自動的に分類するというサービスだ。これまで時間がかかっていたAI-OCRの前処理である処理対象の帳票を、フォーマット毎に分類する作業の効率化が期待できる。

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 TISが「帳票振り分けAIサービス」を開発した背景には、企業のデジタルトランスフォーメーションの推進がある。銀行、保険、不動産などでは、窓口業務をはじめ、多くの業務で手書き帳票が使われている。近年は少子高齢化に伴う労働者の減少や働き方改革などで、業務効率化の一環としてAI-OCRの活用が進められてきたが、AI-OCRで帳票の読み取り処理を行うには、事前に帳票フォーマット毎に分類した上で処理を実行する必要がある。

 これらの処理は、スキャンで読み取った帳票を人手で確認しながらフォルダ毎に分類するか、帳票毎に付与した分類コードを読み、取り振り分けを行う処理を開発する必要があった。このため、前処理に多くのコストがかかり、これがAI-OCR利用を妨げる要因となっていた。

 TISが開発した「帳票振り分けAIサービス」は、スキャンで取り込んだ帳票をAIが帳票レイアウトを認識し、自動的に振り分けするサービスだ。振り分けのための煩雑な事前設定の必要はなく、サンプル帳票を1枚アップロードするだけで事前設定が完了する。また、FAXのような歪んだ画像であったとしても、AIが帳票の特徴を認識して分類する。AI-OCRとRPAを連携させることで、一連の処理を自動化することも可能だ。

 TISは「帳票振り分けAIサービス」の提供を通じて、AI-OCRの活用と業務の効率化に向けた支援を行っていく。(記事:まなたけ・記事一覧を見る

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