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ホンダの闇は深い 新型フィット発売延期 電動パーキングブレーキ変更でコストアップ
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東京モーターショー2019で発表されていたホンダ・新型フィットだが、2019年11月発売する予定を2020年2月に延期した。その理由は電動ブレーキ(EPB)の不具合によるもので、2019年8月に発売した軽自動車「N-WGN」にも採用したドラム式EPBの品質が安定せず、歩留まりが悪すぎるという。それはオランダのシャシー・ブレーキ・インターナショナル(CBI)製であるそうだが、既に見切りをつけており、4輪ディスクブレーキのドイツ・コンチネンタル(Continental)製のディスク式EPBを、採用したようだ。
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2019年8月に発売した軽自動車ホンダ・N-WGNと同じCBI製ドラム式EPBの不具合で、新型フィットは一時生産中止に追い込まれてしまった。これは先代フィットの不具合連発に続く不祥事であり、ホンダの経営体質が心配だ。品質保証と経営が連動していないように思われがちだが、品質保証がうまく機能していないのは「経営体質」が悪いからなのだ。
近年、グローバル経営化しているのだが、グローバル経営者はビジネスモデルを勘違いしている感がある。「ホンダの闇は深い」が、それは金融知識優先で投資感覚になっているのだ。社員の提案を聞いて「事業として将来性がある」と考えたものに投資する考え方だ。
これだと、企業全体のコスト感覚、将来のビジネスモデルの姿などを捉えて、混流生産・スウィング生産・順序生産などを実現するため、モデルベース設計、モジュラー設計、それらに関係するサプライヤー体制などを総合的に計画し、車両設計に反映できなければ、コストは下がらない。
近年のホンダの利益率の悪さが、経営戦略の失敗を示している。しかし、それを捉えて反省し体制を立て直すには、「いいクルマをつくろうよ」とする豊田章男社長の言葉を理解できなければならない。多くの自動車ジャーナリストがTNGAを理解できないでいるが、自動車メーカー経営者が理解できないでは済まされない。
真摯に反省して品質保証体制を基礎から構築するのだ。さもないと近いうちに最悪の事態となってしまう。経営は「投資」ではない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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