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インドネシアは「プラごみ」対策の先進国!?
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10月24日、共同通信が『プラごみをバス乗車券に インドネシア 1.5リットル3本で2時間』と題する記事を配信した。インドネシア第2の都市:スラバヤでプラスチックごみ(プラごみ)が、市営バス(スロボヨバス)の乗車券の代わりになっているというのだ。昨年4月に市長のアイディア始まったこの試みは、要約すると以下の様な枠組みだという。
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★3路線・計20台のバスで適用されている。
★乗客は1.5Lのペットボトルなら3本、600mlなら5本で乗車券と交換できる。手にした乗車券は、1枚で2時間乗り放題。
★バスターミナル&停留所に設けられた交換所に持ち込んで交換できる。またプラごみを車内に持ち込み、専用のごみ箱に収めて乗車券に変えることも可能。
★集まったプラごみは、リサイクル業者に売却されバス運営費用の一部に充てられる。
インドネシアでは2025年末までに海洋プラごみを17年に比べ、7割減らす目標を立てている。この市営バスも目標に向かい自治体市長が考案した方策だという。スラバヤ市のイルフィン運輸局長は「この1月までの10カ月間で計39tのプラごみが集まった。乗客数も3倍方増えている」としている。
周知の通り「海洋プラごみ」問題、その対応策が国際的課題となっている。毎年、800万tのプラごみが海洋に流入している。このまま放置されると50年には重量ベースで魚の量を超えると試算されている。魚や海鳥がプラごみを誤食し、海の生態系に悪影響を及ぼすことも指摘されている。
ISWA(国際廃棄物協会)では、「海洋プラごみ汚染の75%は中国などの不法投棄による。海外から中国に輸出され処理できないものが、河川・海洋に流れている」とする見解を示しているが、ここでは「最大の悪者」論はとりあえず横に置く。
要は各国のプラごみ対策が肝要だ。EUは昨年10月「海洋生物保護」を目的に、EU市場全体で「使い捨てプラ製品の使用禁止」法案を可決。21年までに施行する見通しを示した。
これを受け例えばフランスでは「20年1月1日以降、使い捨てプラ容器の使用原則禁止」という方向を打ち出した。またイタリアでは20年1月1日から「マイクロプラスチック(微細なプラスチック因子)を含む化粧品の販売・マーケティングを禁止。違反者には罰金を課す」とした。
日本では環境省が「プラスチック資源循環戦略」を策定、小売店のレジ袋有料化義務などを盛り込んだ(ちなみに来年4月にも実施とされていた。だが10月25日の毎日新聞電子版は小売店の対応を鑑み“7月へのずれ込み”が明らかになった、と伝えた)。
ところで、日本のメディアは「プラごみ」の象徴的なものとして「プラスチックストロー」を引き合いに報じた感がある。四季報・秋号の三井松島ホールディングス材料欄は【環境対応】の見出しで「子会社の日本ストローは今秋から紙ストロー販売予定」としている。
日本ストローはストローで国内首位。一時、兜町では「プラスチックストローを製造しているのはマイナス材料」とも言われた。今回販売する紙ストローは「接着剤の臭いや価格を抑えた新製品」で、年間1000万本(国内のストローシェア4割に相当)を生産するという。現在の四季報が発売されたのは9月15日。8月26日に年初来安値1112円だった株価は、1200円台半ばにある。穿ち過ぎだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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