メゾン マルジェラ、2020年春夏ウィメンズコレクション発表

2019年10月5日 09:19

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記事提供元:ファッションプレス

 メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2020年春夏「デフィレ」コレクションが、フランス・パリで発表された。メンズ・ウィメンズの新作を合同で披露。

■現代社会の“記憶”に注目

 今シーズン、クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノが注目したのは、情報が溢れるデジタル時代に生きる私たち中にある“記憶”。無数の情報が飛び交う現代社会において、記憶は歪められ、改ざんされ、そして次第に薄れていく。

そんな状態に警鐘を鳴らし、歴史や、歴史が私たちに教えてくれる物事の“本質”に目を向けるべきだというメッセージが込められたのが、今季のコレクションだ。先に発表したオートクチュールにあたる「アーティザナル」コレクションのアイデアから生まれたものでもある。

■本質とは何かを問う服

 本質とは何かを問う必要性を教えてくれるのは、たとえばヘリンボーンのテーラードジャケットに隠されたある仕掛け。このジャケットには、プリント機がハッキングされてしまったかのような“ハック・プリント”という白いグラフィックが施されているのだが、ヘリンボーンとこのプリントを見比べると、実際にはヘリンボーンはトロンプルイユであり、コットンで仕立てられているという真実に気づかされる。

 無数の丸いハンドカッティングも、今シーズンを象徴するディテール。トラウザーを再解釈したドレスの上には、洋服を淡いベールで包み込むようなオーガンザがレイヤードされているが、そこには無数のホールが開いている。人は無意識に穴の中を覗こうとし、本質とは何かを意識するのだ。

■ユニフォームを進化させる

 ベースとなっているのは、セーラーカラーの学生服や、メンズのテーラリングなどある種のユニフォームとされるもの。誰もが袖を通したことのある制服を再解釈することにより、人々の記憶や心地よさにつながる感覚を呼び起こす。また同時に、オーセンティックなウェアを再構築し、従来の洋服よりもより良いものを生み出していくという“アップサイクリング”の概念を体現したものでもある。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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