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NYの視点:米9月雇用統計:今後の成長・金利見通しの鍵に、ネガティブサプライズに警戒
*07:37JST NYの視点:米9月雇用統計:今後の成長・金利見通しの鍵に、ネガティブサプライズに警戒
米国労働省はワシントンで4日に最新9月の雇用統計を発表する。市場エコノミストの平均予想は失業率が3.7%と、8月と同様ほぼ50年来の低水準を維持、非農業部門雇用者数は前月比+14.8万人と、伸びは2カ月連続で鈍化後、拡大が予想されている。
雇用統計の先行指標の中で相関関係が強いとされるADP雇用統計の9月分は前月比+13.5万人と、伸びが予想+14.0万人を下回り6月来で最小となった。また、8月分も+19.5万人から+15.7万人に大きく下方修正されるなど、雇用の伸びがピークをつけたことが再表明される可能性もある。
米国経済で製造業が占める割合は3割ほどに過ぎない。しかし、製造業の雇用が予想以上に悪化し、全体指数を一段と押し下げる可能性も除外できない。全米の製造業動向を表すISM製造業景況指数の9月分は予想外の50を2カ月連続で割り込み、米国経済が景気後退から抜け出した2009年6月以降10年ぶりの低水準に落ち込んだ。同指数の雇用は46.3(8月47.4)と、2カ月連続での活動の縮小で、2016年1月来で最低となった。
貿易の不透明性や世界経済の成長減速で製造業の鈍化が避けられないものの、強い雇用が消費を支え、年内の経済が順調に成長するというのが、今のところFOMCメンバーなどの見通しで、基本路線となっている。ただ、もし、消費を支えると期待されている強い雇用市場がくずれた場合、成長期待も大きく後退することになる。雇用統計の結果は今後の成長・金利見通しにおいても大きな鍵となる。
■9月雇用統計の先行指標
・ADP雇用統計:前月比+13.5万人
(予想:+14.0万人、8月:+15.7万人←+19.5万人)
・ISM製造業
・雇用:46.3(47.4)2016年1月来で最低。
・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):9.7(8月−1.6、6カ月平均1.9)
週平均就業時間:1.7(8月−1.3、6カ月平均1.8)
6か月先
雇用:12.1(8月21.1、6カ月平均16.1)
週平均就業時間:−2.0(8月0.0、6カ月平均1.8)
・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+15.8(8月+3.6、6カ月平均+16.3)
週平均就業時間:+13.0(8月+6.8、6か月平均+12.0)
6か月先
雇用:30.6(8月25、6か月平均25.0)
週平均就業時間:5.3(8月7.7、6か月平均7.5)
・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):3(8月−6)
週平均就業時間:−10(8月+4.0)
賃金:24(8月22)
6か月先
雇用:16(8月5)
週平均就業時間:8(8月−4)
賃金:56(8月45)
・消費者信頼感指数(%)
雇用現況(%)
十分:44.8(8月50.3、前年44.1)
不十分:43.6(8月37.7、41.8)
困難:11.6(8月12、14.1)
6カ月後の予想
雇用
増加:17.5(8月19.9、前年22.1)
減少:15.7(13.7、11.4)
不変:66.8(66.4、66.53)
所得
増加:19.0(8月24.7、22.5)
減少:5.6(6.3、7.6)
不変:75.4(69、69.9)
・失業保険申請件数
件数 前週比 4週平均 継続受給者数
09/21/19| 213,000| 3,000| 212,000 |
09/14/19| 210,000| 4,000| 212,750 | 1,650,000 |
09/07/19| 206,000| -13,000| 213,000 | 1,665,000 |
08/31/19| 219,000| 3,000| 216,750 | 1,674,000 |
08/24/19| 216,000| 5,000| 214,750 | 1,674,000 |
08/17/19| 211,000| -10,000| 215,000 | 1,701,000 |
08/10/19| 221,000| 10,000| 214,000 | 1,676,000 |
08/03/19| 211,000| -6,000| 212,750 | 1,728,000 |
■市場予想
失業率:3.7%(8月3.7%)
非農業部門雇用者数:前月比+14.8万人(8月+13万人)
民間部門雇用者数:前月比+13万人(8月+9.6万人)
平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.2%(8月+0.4%、+3.2%)《CS》
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