エボニー、2020年春夏コレクション発表 旅先で出会った日本の風景

2019年9月18日 08:47

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記事提供元:ファッションプレス

 エボニー(EBONY)の2020年春夏コレクションが発表された。

■自然の風景や伝統工芸からインスパイア

 今シーズンのクリエーションを手掛ける上で、デザイナー石野愛弥の目に留まったのは、美しい自然の風景。慌しい日常から抜け出して、“美しいもの”を見に行こうと思い立った。向かったのは、和歌山の海に始まり、青森の七里長浜、いくつもの滝からなる奥入瀬渓流、雪の残る八甲田山、足利の大藤。その旅の中で、伝統工芸士が作る硝子工芸“津軽びいどろ”や、美しい織模様の敷物“赤穂緞通”にも出会った。

 非日常的な空間で目にした圧倒されるほどに美しい自然、そして人々の手で生み出される美しい伝統工芸品。そんな風景や工芸品にインスピレーションを得て、日常に特別感をもたらしてくれるピースを作り上げた。

■奥入瀬渓流をイメージしたスカート

 たとえば、タイトスカートには、奥入瀬渓流をモチーフにしたジャカード生地を採用。奥入瀬渓流を撮影した写真から水の流れの形を抜き取り、複雑に重ね合わせることでオリジナルパターンを生み出した。このパターンを、ムラのあるスラブ糸や光沢のある糸をミックスした特別な技法で織り上げることにより、見る角度によって表情の違いが楽しめる生地に仕上げている。

■水の流れを感じさせるウェーブレースパンツ

 ワイドパンツには、海や川の水の流れを感じさせるレース素材を使用。伸縮性のある糸を部分的に用いてストライプ状に縮めることで、立体感のあるウェーブ模様を表現した。伸縮性がありながらもハリ感のある素材に仕上げているので、体のラインを拾わず、しなやかで美しいシルエットを叶えている。

■“赤穂緞通”着想のシースルーワンピース

 “赤穂緞通”の桐唐草模様をベースにしたテキスタイルを取り入れたのは、フレアスリーブのワンピースやブラウスなど。光沢糸やラメ糸を使用することで“赤穂緞通”が持つ華やかさは残しつつも、春夏らしい軽やかなムードを演出する透け感のある布地に仕上げている。一見無地に見えるシースルーのベース部分も、ジャカードで繊細な凹凸感を表現した。

■足利の大藤から連想したカラー

 カラーパレットは、水辺を彷彿とさせる深いブルーを中心に、柔らかなニュアンスのライトベージュなど。足利の大藤からインスピレーションを得た優し気なパープルも、コレクションにアクセントを加えている。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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