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軽減税率へ対応完了の飲食店は8.7%、「準備もまだ」が54.6% 日本公庫調査
日本政策金融公庫が消費税増税に伴う調査結果を発表し、飲食業や宿泊業などの生活関連企業で、増税に伴ってキャッシュレス決済やテイクアウトサービスなどを導入・拡充する業者は、一部に留まることが分かった。
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■キャッシュレス決済対応済み企業は4割
12日、日本政策金融公庫が「キャッシュレス決済の対応状況等に関するアンケート調査結果」を発表した。これは、飲食業や宿泊業など生活衛生関係を営む3,290企業に対して訪問面接調査を行ったもので、回答のあった3,142企業分を集計・分析している。
企業の中で、「クレジットカード(デビットカードを含む)、電子マネー、スマートフォンのアプリ決済などのキャッシュレス決済に対応している」と答えたのは40.9%だった。
■ホテル・旅館業は8割で対応済み
業種別でキャッシュレス対応企業の割合が最も高かったのは「ホテル・旅館業」の83.6%、ついで、「映画館」が46.4%、「飲食業」が45.4%、「美容業」が42.5%と、ここまでは平均を超えている。以下は、「理容業」が32.2%、「食肉・食鶏肉販売業」が26.1%、「クリーニング業」が19.7%、「公衆浴場業」が17.4%、「氷雪販売業」が最も低く11.1%だった。
■クレジットカードのみ対応が約半分
キャッシュレス決済対応済みの企業に対してその決済手段を尋ねたところ、最も多かったのは「クレジットカードのみ」で49.3%だった。ついで、「スマートフォンのアプリのみ」が20.0%、「クレジットカード、スマホアプリに対応」が14.9%、「クレジットカード、電子マネー、スマホアプリの全て」10.7%、「クレジットカード、電子マネーに対応」が3.5%などとなっている。
業種別では、「クレジットカードのみ」は飲食業(58.2%)、食肉・食鶏肉販売業(55.0%)、映画館(57.7%)、ホテル・旅館業(52.3%)で高め、「スマートフォンのアプリのみ」は理容業(49.3%)やクリーニング業(52.0%)で高く、「クレジットカード、スマホアプリに対応」は美容業(22.3%)、ホテル・旅館業(18.3%)、理容業(16.2%)で高めだった。
■消費税増税への対応企業は4社に1社
10月からの消費税増税に伴うキャッシュレス決済への対応を尋ねたところ、最も多かったのは「キャッシュレス決済に未対応で導入予定もない」が53.4%だった。また「キャッシュレス決済を導入済みで拡充はしない」が20.7%となり、消費税をきっかけとしてキャッシュレス決済を導入する企業や拡充する企業は少ないことが分かった。
反対に「キャッシュレス決済に未対応で新たに導入する」と「キャッシュレス決済を拡充する」はともに13.0%となり、合わせても4分の1程度に留まっている。業種別で「新たに導入」と「拡充」の合計が多いのは、「ホテル・旅館業」ながら、それでも43.7%(新たに導入:12.6%、拡充:31.1%)に留まっており、次に多い「映画館」では32.2%(同17.9%、14.3%)とさらに低くなっている。
■導入する理由、しない理由
「キャッシュレス決済を新たに導入する」と答えた企業に理由を尋ねたところ、飛び抜けて多かったのは「利用客からの需要がある」で70.8%、ついで「新規客の開拓が見込める」(43.8%)、「売上の増加が見込める」(36.4%)、「導入しないことで他店に利用客を奪われる恐れがある」(27.9%)、「一定期間決済手数料が低くなる」(25.6%)、「国から決済端末等の導入補助が受けられる」(24.2)%などとなっている。
「導入しない」企業にも同様に理由を尋ねたところ、「利用客からの需要がない」が49.0%、僅差で「新たな危機の導入に抵抗がある」が48.2%、「決済手数料等の経費負担の増加」が46.6%となり、以下は「売上の増加が見込めない」(37.8%)、「入金までに時間がかかる」(25.0%)、「ポイントの還元が期間限定」(10.8%)となっている。
■飲食事業者の軽減税率対応は過半が「まだ」
飲食店事業者に対して軽減税率導入の準備状況を尋ねたところ、「概ね完了している」は8.7%に過ぎず、「準備に取り掛かっている」が36.6%、「準備に取り掛かっていない」が54.6%だった。
「取り掛かっていない」と答えた業態は、寿司店(62.5%)や、バー・クラブ・スナックなどの社交業(66.7%)で高め。「概ね完了」は比較的高めの中華料理店でも10.6%に過ぎなかった。
■テイクアウトや宅配サービスも消極的
飲食店事業者に対して軽減税率導入に伴いテイクアウトや宅配サービスに取り組むかを尋ねたところ、「テイクアウト・宅配を導入しているが拡充はしない」が49.5%、「導入しておらず今後も導入しない」が38.9%、さらに「導入しているが取りやめる」の2.4%と合わせて9割以上が消極的な対応だった。
逆に「新たにサービスを導入する」は2.3%、「サービスを拡充する」は7.0%で、積極的な業者は一部に留まっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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