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8月の景況感、9カ月ぶりに改善 増税前の駆け込み需要など 帝国データバンク
帝国データバンクが8月の景気動向調査を発表し、公共工事や消費税増税前の駆け込み需要により景気動向指数がわずかに改善したものの、10月以降に再び落ち込みを予測していることが分かった。
【前月は】7月の景況感、8カ月連続で悪化 天候不順や世界経済の低迷 帝国データバンク調査
■景気DIが9カ月ぶりに改善
4日、帝国データバンクが2019年8月の景気動向調査を発表した。8月の景気DI(動向指数)は44.7で、7月の44.6から0.1ポイント改善。これは2018年11月の49.0から12月の49.5以来となる9カ月ぶりの改善となった。
プラス要因として、防災関連の公共工事、気温上昇による季節商品の活発化、消費税導入前の駆け込み需要が一部にあったという。マイナス要因では、中国などアジア向けの輸出の減少傾向、設備投資の減速、台風や大雨の天候、日韓関係の悪化をあげている。
■建設、小売で増税前の駆け込み需要が発生
業界別で景気DIが改善したのは、農・林・水産が41.5(前月比:2.4ポイント増、以下同じ)、建設が52.1(0.4ポイント増)、小売が40.2(0.7ポイント増)、運輸・倉庫が45.5(1.0ポイント増)の4業界。建設業界では防災関連の公共工事に加えて学校向けの空調設備工事が、小売業界では季節商品として「繊維・繊維製品・服飾品小売」「家電・情報機器小売」が改善、両業界ともに増税前の駆け込み需要が見られたという。
■台風や訪日韓国人の減少でサービス業界に影響
業界別で悪化したのは、金融が44.7(0.4ポイント減)、不動産が46.5(0.9ポイント減)、製造が41.4(0.1ポイント減)、卸売が40.8(0.2ポイント減)、サービスが50.7(0.1ポイント減)、その他が43.2(0.9ポイント減)の6業界だった。製造ではアジア向け輸出の減少や設備投資意欲の低下が、サービスでは台風や韓国からの訪日客の減少で「旅館・ホテル」が悪化、天候不順や野菜価格の上昇で「飲食店」に影響があった。
■北海道が公共工事などで好調
地域別で改善したのは、北海道(8月のDI:46.4、前月比:0.7ポイント増、以下同じ)、北関東(42.6、0.1ポイント増)、南関東(45.7、0.2ポイント増)、北陸(44.1、0.6ポイント増)、東海(45.0、0.3ポイント増)、四国(43.8、0.7ポイント増)。また、東北(41.7)は前月比変わらず。公共工事や大型プラント工事が要因で北海道の景況感が、2013年12月以来の5年8カ月ぶりに10地域で1位になった。
反対に悪化したのは、近畿(43.8、0.2ポイント減)、中国(44.8、0.2ポイント減)、九州(46.3、1.3ポイント減)。九州では、訪日客のキャンセル、北部の大雨、中国向けの輸出減少が影響した。
■今後は「不透明感が一層強まる」
今後の見通しとして、景気DIは9月こそ45.0と2カ月連続で改善を予測するものの、その後は悪化傾向が続き、2020年8月には40.7を予測している。これは2016年前半の水準まで下がることになる。
消費税増税前の駆け込み需要があった後、増税後に消費が一時的に大きく落ち込む見込み。また、最低賃金の引き上げや人手不足によるコスト負担の増加、世界的な景気低迷による輸出の減速も影響する。その上で今後の国内景気については「不透明感が一層強まっている」としている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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