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BMW・新型1シリーズ、FFとなって登場 入門BMWは140PS・FFと306PS・xDrive
BMWがついにFFの小型車を投入してきた。サイドからのプロポーションではフロントが短くなって見えるが、全長はマイナス5mmだ。室内スペースは拡大し、パッケージングの余裕が感じられる。ホイールベースは短くなっているのだが、室内の足元のスペースは広がりFFのメリットをうまく使いこなしている。140馬力の入門グレードは問題はないが、 306馬力のM1グレードは xDriveと呼ばれるAWDでFFの弱点を補っている。
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日本導入は、ベーシックなBMW・118iの3モデルと、MグレードのBMW・M135i xDriveの計4モデルとなる。最高出力140PS、最大トルク220N・mの1.5リッター直3ターボエンジンを搭載するBMW・118i FFは、入門BMWとでも言うべきクルマだ。一方、BMW・M135i xDriveは、最高出力306PS最大トルク450N・mを発揮する2リッター直4ターボとなる4WD車だ。トランスミッションは、BMW・118iが7速DCT、BMW・M135i xDriveが8速ATに組み合わされる。
BMW初のFF車の「でき」だが、高出力であるとどうしてもFFの弱点である加速時フロントタイヤの浮き上がりとスリップを生んでしまう。そのためコーナリングでの立ち上がりなどでは、アンダーが出やすくなってしまう。スズキ・スイフトスポーツも、どうしてもFFの特性が丸出しになる。さて、BMW・118iではそれがかなり抑えられているようだが、M1ほど高出力になるとAWDを使わざるを得ないようだ。
この働きには、タイヤスリップコントロールシステム、ARB(アクチュエーター・コンティギュアス・ホイールスリップ・リミテーション)が使われているようだ。これは、エンジンコントロールユニットが直接タイヤスリップ信号を感知、通常のDSC(ダイナミック・スタビリティー・コントロール)を経由した場合の約3倍の速さで、信号を直接エンジンコントロールに伝達する機能だ。しかし、電子コントロールと言えども多少のタイムラグが生じて、コントロールのタイミングが遅れることが生じる。
性能が悪かった初期のパソコンでは、画面表示にウィンドウズなどのOSを経由すると遅くなるため、直接VRAMに働きかける手段でゲームプログラムを実用に供せるようにしたなどの苦労話があったことを思い出す。自動車においても、このような制御のスピードアップにより、FF車特有のアンダーステアを大幅に抑制するのだ。
つまり、必要以上のトルクを前輪にかけず、スリップを制御して俊敏な走りを実現する。まことにBMWらしい工夫の仕方だ。このサイズで価格は400万円オーバーだが、体感する価値のあるクルマと言えよう。
また、BMW・118iが7速DCTで、BMW・M135i xDriveが8速ATの組み合わせだが、高トルクのクルマではDCTのクラッチコントロールと耐久性に問題が出るからなのだろうか?M1がATとの組み合わせを選んでいることが興味深い。
さらには、運転支援装置のグレードアップは、オプションにはなるが7,8シリーズでも使っている最高級グレードを採用しており、最新の自動運転に関する技術を、車種のグレードに関係なく充実させる試みは歓迎できるところだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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