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将来、F1で化石燃料を使用しない!? 『走る実験室』はCO2排出量を減らせるか?
独ボッシュ社がテストしている車両。(画像: ボッシュの発表資料より)[写真拡大]
2019年は、ホンダがF1で27年ぶりのシーズン2勝目をあげ、日本のモータースポーツにおいても記念すべき年となっている。昔からのF1ファンにとっては、かつてホンダとタッグを組んでいた伝説のレーシングドライバー、アイルトン・セナの面影を思い出さずにはいられなかっただろう。盛夏も過ぎて、来る10月には日本グランプリを意識する季節をいつものように迎えている。
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そんな中、F1最高責任者のチェイス・キャリー氏が、将来的に「化石燃料を使用しないF1レース」にしていきたいと発表した。F1では、2014年にはハイブリッド方式を採用したエンジンとなっており、パワーを維持しながらも、すでに二酸化炭素排出量削減には相応の成果をあげていると思われる。そして、F1などモータースポーツで試され、実験を積み重ねたハイテクは市販車にも搭載され、私たちはその恩恵を受け続けている。
しかし、温暖化にみられるように環境問題は深刻度を増しているため、さらに、F1においても「カーボンニュートラル(二酸化炭素排出量ゼロ)の導入」を目指していかなければならないとの思いのようだ。
キャリー氏は「我々は現在、合成燃料、バイオ燃料、液体水素燃料について石油業界とともに積極的な取り組みを行っている」とも述べている。
現実にドイツでは、ボッシュの取締役会メンバーの送迎車両に完全再生可能ディーゼル燃料である「C.A.R.E.ディーゼル」(Toolfuel社)がすでに使用されており、「油田から車輪まで(Well to Wheel)」のCO2排出量をおよそ65%削減させることができると言及している。
また、ボッシュ拠点内のガソリンスタンドでは、Shell社が製造する「R33ブルーディーゼル」(認定済み燃料)がテスト車両と社用車に提供されており、これもWell to Wheelで最大20%削減することが可能である。これらの実績から、F1でも化石燃料を使用せずにレースが成り立つことを予見しているのだろう。
また、これらの化石燃料(再生可能合成燃料)のメリットは、既存のガソリンスタンドを利用することができ、現存する車両やインフラを置き換えるコストを必要としないということにあるようだ。
日本のマツダもWell to Wheelを念頭に、希薄燃焼ガソリンエンジンの開発を進めて成果をあげてきている。そうすればもちろん、今までのインフラをそのまま使用できる。一方で、EVを製造・使用するために新しいインフラを世界中に作ること自体に、二酸化炭素排出がどれほどあるかもはっきりわかっていない。
化石燃料を使用するF1は、将来消滅するのかと危惧していたが、そうではないかもしれない。人間の知恵は、どこまでも貪欲だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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