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転職希望者の8割近くがハラスメント経験 解決のため退職が4割 ワークポート調査
転職希望者の約8割がハラスメントの被害に(図:ワークポートの発表資料より)[写真拡大]
ハラスメント被害者の4割が退職を選択―。今年5月、職場でのパワーハラスメント防止を会社に義務づけるパワハラ防止法が成立したのを受け、転職サービスのワークポート(東京都品川区)が転職希望者に対し、ハラスメントを受けた経験の有無について調査。回答者の8割近くが、何らかのハラスメントを受けた経験があると答えた。ハラスメントの9割がパワーハラスメントだったという。
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ワークポートは6月11日から18日まで、同社の転職サービスを利用する470人にアンケートを実施した。
アンケート結果によると、これまで何らかのハラスメントを受けたことのある人は359人で76.4%。さらに、どのようなハラスメントを受けたことがあるか(複数回答)を尋ねたところ、パワーハラスメントが92.5%と9割を超えた。次いで多かったのがモラルハラスメントで43.7%、セクシャルハラスメントが23.7%だった。
ハラスメントを受けたことがある人に、どのように解決したか(複数回答)を聞いたところ、「退職した」が42.9%で最も多く、次いで「我慢して自然消滅した」と「今も解決していない」が共に28.1%。ハラスメントが根本的に解決せず、退職したり泣き寝入りしたりしている人が多いことがわかった。
その他の答えでは、上司や同僚、家族・友人、人事部など他部署に相談したという回答が続いたが、外部の専門家に相談した人は少なく、公的機関に相談した人は4.7%、弁護士は3.9%だった。
また対象者全員に、同僚や部下などからハラスメントについての相談を受けたことがあるかを尋ねたところ、51.7%が「ある」と答え、現在の会社でハラスメントの現場を目撃したことがあるかを尋ねたところ、72.1%が「目撃したことがある」と回答した。
回答者の意見の中には「社長によるハラスメントだったので、どうしようもなかった」「人事部でハラスメントが行われていたので、相談場所がなかった」というものもあったという。
調査結果について、「本来ハラスメントの防止に努めるべき人たちが加害者になっているというケースもある。社内だけでは解決できない状態になっているケースも多いのではないか」と指摘。「企業は今後、専門知識を持つ第三者機関と積極的に連携していく必要があるのではないか」としている。
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