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軽四輪の販売台数伸長でも国民所得伸びず 「コスパ」に優れるスポーツカーは?
ホンダ「S660 Modulo X」。(画像: 本田技研工業の発表資料より)[写真拡大]
2019年上半期(1~6月)の軽四輪自動車販売数は101万8071台で、前年同期比1.8%増、3年連続のプラスを記録した(全国軽自動車協会連合会7月1日発表)。マツダとスバルを除く全ブランドが、前年同期実績を上回った。首位ダイハツが同1.5%増の32万4130台で、13年連続で首位をキープ。スズキも同1.0%増の30万8682台と、ダイハツに1万5448台差で続いた。
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これは、日本国民の所得が実質停滞していることが背景にある。最近、「自分は貧困」であると認め、「でも仕方がない、自己責任だ」と言って「自民党政権、安倍政権を支持する」若者が増えているという。「社会制度を作り、運営する政権の責任を問う」感覚もなく、「現状を追認する」だけとなっている。これが、企業は好景気でも国民所得が増えない真の原因かもしれない。
そんな背景を持つ軽四輪自動車市場のトピックスとしては、車種別にみて、乗用車は前年同期比0.1%減とほぼ横ばいに推移しているが、貨物車は同8.9%増の22万8672台と躍進していることだ。
その立役者はボンネットバンの「ホンダ・N-VAN」であり、ボンネットバン全体は、同455.6%増の3万1801台を売り上げ、19年ぶりのプラスとなった。「ホンダ・N-VAN」の出来が極めて優秀だったことがわかる。確かに、基本パッケージの優秀さと、運転支援システムを上級車と引けを取らないレベルまで高めて、「燃費・安全・快適性」などでも実用に優れた乗り物としている。いかにも日本国民の才能がなせる業と言える状態だ。
だがしかし、緊急自動ブレーキなどの運転支援装置を充実させると、「ホンダ・N-BOX」や「スズキ・スペーシア」などのように現実に売れているグレードで言えば150〜180万円に達してしまい、決して使い捨てが出来るような安い買い物とも言えなくなっている。
また軽四輪自動車は、「実用乗用車であり、優秀な貨物車」であるだけなのだろうか?
スポーツマインドも満足させる車があることを忘れてしまうのは、もったいない。「スズキ・アルト・ワークス」のように、ターボエンジンを積んで(64ps/6000rpm、10.2kg・m)、KYB製ショックアブソーバーなどで走りの性能を追求したモデルがある。
そしてホンダ・S660は、MR(ミッドシップ・リアドライブ)ターボエンジンで2座席オープンカーを作り上げている。ミッションにもDCTや6速MTなどを揃え、スポーツカーを体感できるコスパの高い軽自動車だ。
これは、日本国民だからこそ作り上げることができる自動車の世界だ。これほどの多種類の分野において優秀な製品を作り上げる才能は、世界に存在しない。「故障しない」というだけで北米市場のユーザーが驚いた、半世紀前をあらためて思い出した。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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