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ローム、パナソニックから半導体事業の一部を譲受 シェアをさらに拡大
ダイオード製品写真(0.5mmのシャープペンシルの芯と比較)[写真拡大]
半導体メーカーのロームは2019年4月23日、パナソニックの半導体事業部門を担うパナソニック セミコンダクターソリューションズのダイオードおよびトランジスタ事業の一部を譲り受けることを決定したと発表した。譲渡完了は今年10月末を予定している。
ロームは、ダイオード、トランジスタ事業を同社の中核事業に位置づけており、現在、世界トップクラスのシェアを誇っている。今回の譲受によって、ロームの同事業領域でのグローバルシェアは現在の17%から18.5%に増加する見通しだ。
同社は昨年、2022年3月期までに300億円以上の資金を投じて、トランジスタやダイオードの生産能力を30%程度増やすことを発表しており、後工程を担うフィリピン工場に新棟を建設したほか、国内外の生産設備の更新を始めている。早期にグローバルシェア30%達成を目標に掲げており、今回の譲受もその一環だろう。
一方、パナソニックとしては、半導体事業は赤字が続いており、今回の事業譲渡に併せて、イメージセンサーやバッテリマネジメント用IC、リチウムイオン電池の長寿命化や急速充電の実現に貢献する保護回路用MOSFETなどに事業を集中させることで、黒字化を目指す。
具体的にロームが譲り受けるのは、トランジスタはバイポーラ、抵抗内蔵型、接合型電界効果、ダイオードはショットキーバリア、TVS、ツェナー、スイッチング、ファストリカバリーとなっている。
また、デバイスの製造に関しては、当面はロームからパナソニック セミコンダクターソリューションズに委託するかたちで、従来と全く同じ供給体制を継続し、3年をめどに、顧客から移管承認を得た製品から順次、ロームの製造ラインに移管していくという。ちなみにパナソニック セミコンダクターソリューションズからロームへの人員及び設備の移動はなく、両社では今期の連結決算への影響は少ないとみている。
自動車の電装化やIoT社会の加速に伴なって、制御回路などに使う1ワット以下の電力を扱う小信号半導体のトランジスタやダイオードの需要が世界的に拡大している。当然、新興国などとの競争も激しくなってくるだろう。ロームにはその前に盤石な勢力を築いてもらいたい。(編集担当・藤原伊織)
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