米加国境の「密輸人の宿」という旅館、カナダ入国が違法と警告の看板設置命じられる

2019年4月29日 20:01

印刷

記事提供元:スラド

米国とカナダの国境にある旅館 Smuggler's Inn Bed & Breakfast(密輸人の宿)のオーナーが、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の裁判所から裏庭に「この土地からカナダへ入国することは違法だ」と警告する看板の設置を命じられたそうだ(CBC Newsの記事[1][2]Global Newsの記事The Registerの記事)。

オーナーのRobert Joseph Boulé氏は4月上旬、2018年5月から2019年3月にかけて7人の違法入国をほう助したとして21件の入管法違反に問われ、カナダで起訴されていた。米国からカナダへ違法入国しようとする人を手助けしないように、という裁判所命令に従わなかったことも起訴事実に含まれるという。今回の裁判所命令は保釈条件の一つとなっている。

この宿は国境の米国側、ワシントン州ブレインに建っており、裏にはカナダ側最初の道路となるゼロアベニューが通っている。しかし、国境は宿の裏庭に1~2mほど入った場所を通っており、その位置に石が並べられているだけのようだ。そのため、カナダ側または米国側に違法入国しようとする人が毎晩のように裏庭を通るらしい。これをビジネスチャンスととらえたBoulé氏は宿にSmuggler's Innと名付けただけでなく各部屋に有名犯罪者の名前を付け、宿泊者に暗視スコープを貸し出して密輸人を見物できることを売りにしていたそうだ。裏庭には「密輸人横断中 スピード落とせ」といった道路標識風の看板も設置されている。Global Newsの記事に掲載されている動画では、家族らしき集団が裏庭から堂々とカナダへ密入国し、カナダ側であっさり警察に捕まる様子もみられる。

2017年にBoulé氏はCBC Newsに対し、時には宿泊者がカナダ側へ消えることもあると語っていたという。Boulé氏は関与していないが、宿泊者が密輸容疑などで逮捕されることもあり、宿の名前もあってニュースで取り上げられることもあるようだ。ただし、Boulé氏は土地の名士であり、表彰されることはあっても犯罪に関与することはないと地元では考えられているとのことだ。

 スラドのコメントを読む | idleセクション | カナダ | 犯罪 | 法廷 | 変なモノ | idle | アメリカ合衆国

 関連ストーリー:
Fox News、誤って「中米3か国」を「メキシコ3か国」と表現 2019年04月06日
パンツの中に子猫4匹を隠してマレーシアからシンガポールに密輸しようとした男、シンガポール側の検問所で捕まる 2019年01月12日
国境の壁をめぐる対立で予算が成立せず、米政府機関の一部が閉鎖される 2018年12月23日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事