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独VWグループ、電動化へ布石 中国リチウム製造大手と長期契約締結
独フォルクスワーゲン(VW)グループは、中国江西省に本拠を置くリチウム化合物および金属メーカーのGanfeng Lithium Co.,Ltd(GFL:ガンフォン・リチウム)とバッテリーセル用のリチウム供給に関する長期の覚書を正式に交わしたと発表した。この契約に基づき、ガンフォンは今後10年間、VWグループおよびそのサプライヤーにリチウムを安定的に供給する。
この契約でVWは、電動車用バッテリーのリチウムのかなりの量を既に確保したことになる。VWによるとグループは今後10年間で、70モデル以上の電気自動車の発売計画を持つ。つまり、2025年に顧客に納車する車両の約4分の1が電動車となる予定だ。従って、バッテリーセル用の原材料需要は、今後数年間で急速に増加する。そのため、重要な原料であるリチウムに関してVWとGFLが長期的合意を締結したことは、非常に重要な戦略的意味がある。
業界ではクルマの電動化への急速なシフトは、世界のさまざまな原材料市場に大きな影響を与えるとされる。なかでも、バッテリーに係るリチウム需要は2023年までに2倍以上になると予想されている。今回のGFLとVWの合意の意味大きい。
GFLは、世界有数のリチウム化合物および金属メーカーであり、2010年には中国証券取引所に、2018年には香港に上場している企業だ。現在、GFLは5つのカテゴリーで、炭酸リチウムやフッ化リチウムの製造・販売など40以上のリチウム化合物や金属製品をグローバルな市場に提供している。
今回の契約発表で、VW AGのe-モビリティ企業購買担当責任者のミヒャエル ベッカーは次のように説明している。
「ガンフォンを戦略的パートナーとすることで、容量と価格を計画するための確実な基盤を構築しています。戦略的コラボレーションは、VWのe-原材料チームによって実行された、広範な市場分析の結果です。この専門チームは原材料業界との密接な関係構築に焦点を当てています。選ばれた戦略的パートナーと共に、VWは、HVバッテリーのバリューチェーンに沿った相乗効果に取り組んでいます。このプロセスにおいて、私たちは、原材料の容量や競争力のある価格構造の確保と同様に、持続可能なバリューチェーンが重要であると考えています」
今回の合意事項には、リチウム供給に加えて、VWとGFLは電池のリサイクルや固体電池などの将来のトピックについて協力することにも合意しているという。(編集担当:吉田恒)
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