2019年プロ野球開幕 新天地、丸と長野それぞれの戦い

2019年4月1日 08:02

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 2019年のプロ野球は開幕カードの3連戦を終えた。マツダスタジアムで行われた広島対巨人は2勝1敗と巨人が同スタジアムで2年振りに勝ち越し、昨シーズンのセリーグ覇者を相手に好スタートを切った。

 シーズンオフにFAで広島から巨人に移籍し注目を集めた丸佳浩は開幕戦で4三振、翌2戦目も無安打で迎えた3戦目、5回の3打席目で今季初安打を記録した。

■新天地で迎えた開幕

 待望の移籍後最初の安打は開幕から12打席目に生まれた。

 3戦目の5回表、2死2塁。1ストライクの後の2球目、広島先発・九里の直球を叩いた打球は右翼の頭上を越える適時二塁打となった。丸は二塁上でやや笑顔を見せた後、すぐに表情を引き締める。この丸の初安打・初打点により巨人は勝ち越し、敵地で有利な展開に持ち込む。スイングスピードの速い、丸らしさが発揮された一撃だった。

 3連覇を果たした広島打線の中心として、セリーグでは4人目となる2年連続MVPにも輝く。オープン戦では打率も3割を超え、巨人のさらなる主軸としての期待は十分に感じさせる活躍をみせた。

 しかし開幕戦では昨年まで共に広島を支えてきたエース・大瀬良大地の前にチーム共々、封じ込められることに。初打席、ハーフスイングで三振を喫すると、次打席では変化球を見逃し。3打席目は低めに決まるカーブを空振り、続く4打席目は外の直球に手が出なかった。明らかに気持ちに迷いが生じていたことが伝わる内容でチームも無得点での完封負け。新たな指揮官であり、現役時に同じ背番号「8」を背負った原監督は「始まったばかりだから」とコメント、新天地に挑む主軸を庇った。

■王者の新たな一員として

 丸が初安打を放った3戦目のこの日、同じく新しいユニフォームを纏った長野久義が今季初出場。7回から左翼の守備に就き、初打席では変化球を捕らえ中堅への安打となった。丸の移籍による人的補償として今季より広島の一員となった長野。赤色に染まったスタジアムの中でのベテランらしい一打で両チームのファンから大声援を浴びた。

 今季もタイトルを争う力を持つ両チーム、開幕3連戦では期待の新戦力が共に様々な表情をみせている。実績はあれど、それぞれが思い通りの結果を残せなかったかもしれない。その中でも、存在感は大きく、新たなシーズンへの期待を抱かせるものだった。巨人の丸、広島の長野、共に今シーズンもプロフェッショナルとして大いにファンを楽しませてくれるだろう。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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