夏も冬も走れる! オールシーズンタイヤ「ミシュラン・クロスクライメート」

2019年2月25日 22:03

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「MICHELIN CROSSCLIMATE(ミシュラン・クロスクライメート)」シリーズ(画像: 日本ミシュランタイヤの発表資料より)

「MICHELIN CROSSCLIMATE(ミシュラン・クロスクライメート)」シリーズ(画像: 日本ミシュランタイヤの発表資料より)[写真拡大]

 「冬用タイヤ」と言えば「スタッドレス」だが、「スタッドレス」は、すなわち「スパイクレス」(鋲がない)の意味だ。かつて、冬用タイヤと言えば「スパイクタイヤ」であった。考えてみれば、雪や氷の上を走るのであれば、スパイクがあったほうが確実であることは知れたことだ。しかし薄い雪であったり、全く氷や雪のない舗装道路であると、まともにスパイクが舗装道路を削って走ることになってしまう。

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 夏になってもタイヤ交換しないでスパイクタイヤで走っていると、道路が削れて、街の中では「細かい埃」となり、迷惑至極なのだ。また、舗装路面であるとスリップしやすいなどの弊害が目立っていた。道路の舗装路面の寿命を縮めるなどもあり、スパイクタイヤは基本的に全面的禁止となった。そこで雪道や凍った路面での走行の安全を確保するため、「スタッド(鋲)レスタイヤ」の普及が進んだ。

 しかし、どちらにしても夏と冬にタイヤ交換する手間と、外したタイヤの保管が、一般ユーザーにはかなりの負担となっている。そこで考えられてきたのが、「オールシーズンタイヤ」だ。その名の通り、季節を問わず、またどんな路面でも安全を確保できるタイヤとして開発が進められてきたが、ミシュランが新開発した「クロスクライメート」は、雪道での性能もかなり上がっているようだ。

 雪道や凍結道路でタイヤが滑ってしまうのは、タイヤの接地面と路面の間に、車重の圧力により「薄い水の膜」ができるためで、水の上を滑ってしまうのだ。これが生じないよう、水はけを良くする「トレッドパターン」を工夫し、低温でも柔らかいゴムの表面で、路面の細かい凸凹に密着できるようにしているのが「スタッドレスタイヤ」の基本だ。

 「オールシーズンタイヤ」全般に言えるのは、トレッドパターンが水はけを良くするよう考慮しているので、どうしても少々タイヤの走行音(ロードノイズ)が大きくなることだ。夏用タイヤは基本的にドライ路面を前提にしているのだが、冬用タイヤは、雪道を想定している。するとオールシーズンタイヤの夏場走行では音が大きくなることと、ドライ舗装路面ではグリップ力がドライタイヤや夏用タイヤよりも劣ってしまう。

 しかしレース場でもない限り、完全なドライ、またチリのない路面などはありえない。少々雨が降った直後の路面は、危険だ。夏でも少々雨の降った路面では、雪道に近い現象が起きてしまうのだ。オールシーズンタイヤでは、水はけを優先しているので、日常走行の場面では夏用タイヤよりも現実の路面状態に対応できる性能が高いと思われる。

 少々のロードノイズの高まりを我慢できるのであれば、「夏冬履き替え不要」のオールシーズンタイヤ、ミシュラン「クロスクライメート」を試してみる価値は大いにあるであろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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