乃木坂の"people's idol"衛藤美彩が卒業発表

2019年2月15日 11:33

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 トップアイドルと一口に言っても、様々な成長物語があるものだ。

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 2月14日、乃木坂からの卒業を発表した衛藤美彩は、「ファンの力によって選抜常連に登りつめた≪俺たちのアイドル≫だったと思う。

 先日、結婚を発表した元AKBの佐藤亜美菜は、それまで表題曲にメンバーに選ばれたことさえないメンバーだったが、AKBファンとして活動していた時代を知る多くのファンからの応援で、第1回目の総選挙で、大方の予想を覆して8位にランクインする快挙を成し遂げ、people's idolの異名を取ったが、同じように衛藤も8枚目のシングルで初の選抜入りを勝ち取った苦労人である。

 いや、乃木坂以前にアイドルとしての活動経験もあり、ミスマガジンとして、あの露出が少なかった乃木坂メンバーの中では、井上小百合とともに、活動前の水着姿を拝める存在として、一部のファンには愛されており、さらには運動神経もよく、歌唱力も高い実力派でありながら、選抜入りができないでいたという意味では、推しているファンのストレスは相当なものがあったはずだ。

 そこで、彼女のファンはTwitterや掲示板で、とにかく彼女のよさをアピールしまくり、知り合いに声をかけまくるなどの努力を積み重ねた結果、元々対応がよかったこともあり、握手会の売り上げが増え、そのままリピーターになる人も多く、一気に選抜を凌ぐ握手女王へと駆け上がり、選抜入りを果たしたのである、

 乃木坂のメンバーは誰もが魅力があるが、およそ彼女ほどファンから愛され、またファンと乃木坂を愛し続けたメンバーも稀有なのではないかと思っている。白石麻衣の相方として支える面もあれば、深川麻衣には妹のように甘えて見せることもあり、北野日奈子からは「私の美彩先輩」とまで独占欲をむき出しにされながら、バレンタイン企画でふられるというオチまでつけている。

 アンダーライブスタート時のアンダー最年長でMC担当でもあるが、生駒里奈のソロ曲「水玉模様」を「ビー玉模様」にして弄られながら歌うという茶目っ気もあり、一人吞み企画と銘打って一人で酒を飲んで寝るまでの実況中継(企画)をして、アイドルとしての殻をやぶったこともある。

 とにかく彼女は、どんなときも先陣を切る覚悟で後輩や仲間に背中を見せ続ける勇気と優しさを持ち、それがどんな結果になっても支える覚悟を持つ仲間とファンに支えられるという愛情に包まれ続け、さらに愛情で包み続けた人でもあるのだ。

 悲しい、寂しい、どうしていいかわからない……。

 アイドルが、ましてや推しが、グループを卒業するとき誰もが抱く心の痛みだが、こと最近の乃木坂に関しては、新しいステージを楽しみにするファンの声のほうが大きくなっている。それは、多くのOGたちが卒業後もコンスタントに結果を残し、会える機会を作ってくれ、元気な姿を見せてくれるからに相違ない。

 美しいさなぎが、美しい蝶になって羽ばたく姿を誰が否定できるだろうか?衛藤美彩の今後の活躍に期待したい。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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