大相撲初場所、横綱・白鵬連敗 2敗で玉鷲と並ぶ

2019年1月24日 20:48

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 大相撲初場所12日目、1敗で優勝争いのトップを走っていた横綱・白鵬は、2敗で追走する関脇・玉鷲に結びで押し出しにて敗れた。

 立ち合いから張り手で攻め土俵際まで追い詰めたものの、最後にいなされ逆襲を受け自らが土俵の外に押しだされた。これで昨日の小結・御嶽海戦に続き連敗、優勝争いも2敗で両者が並び、3敗で関脇・貴景勝ら3人が追う形となった。

■最後の土俵際で一瞬の隙が

 主導権を握ったのは横綱・白鵬。

 頭からぶつかってくる玉鷲を受け止め、踏み込んで顔を起こすと右と左の張り手を見舞う。さらに頭に手をやった後、再び右、左手で張り、玉鷲を土俵際へ。頭をつけて押し出そうとしたところを回り込まれ最後の一押しが大きく空を切った。

 背を向ける格好になったところを玉鷲に捕らえられ一気に形勢は逆転し万事休す。最後は踏ん張ることもできずに勢いよく押し出された。

 これまで土俵際では厳しいまでにダメを押す場面もしばしばみせてきた。逆に追い込まれた際には2日目の栃煌山戦の様に驚異的な粘りをみせるなど、土俵際の展開には強さを発揮し勝利に繋げてきた白鵬。最後の最後で落とし穴にはまったようにみえた。

 直接対決に敗れ痛恨の連敗。白鵬は取組後の支度部屋で「詰めが甘かった」と語った。

■優勝争いでも貴重な白星

 同郷の先輩でもある白鵬から初勝利を挙げた玉鷲。昨年の3度の対戦でも完敗を喫しており、14度目の対戦での初白星は、優勝争いでも星の数で並ぶ貴重な勝ちとなり、花道を下がる際も笑顔を隠さなかった。この日の勝利で10勝目、白星を一昨年の九州場所以来となる2桁に乗せた。今場所はここまで3大関を破るなど6日目から7連勝。状態も良く、得意の押し相撲が威力を増してきている。

 「一番一番、気合を入れて楽しませたい」と語った玉鷲。力強く真っすぐに前に出続ける姿は観ているものを十分に楽しませ続けている。この勢いならば残り3日、主役の座に登り詰めても不思議ではない、そんな期待を抱かせるほど玉鷲の相撲は充実してきている。(記事:佐藤文孝・記事一覧を見る

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