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アイドル業界の危機管理体制はどうなっているのか?
もし、何らかの手段でアイドル…いや、女性芸人やタレント、モデルでもいい…の自宅を特定でき、帰宅を待ち伏せして抵抗されて髪や顔を掴んでも、「話をしたかっただけ」といえば不起訴になるのであれば、自分もやろうかと考える人間はいないとは言えない。
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NGT48山口真帆さんの暴行事件は、最悪の形ですべてのアイドル、著名芸能人らの危険性を増加させるという余波を産んでしまっている。19日には、欅坂46の佐藤詩織が、学校内でストーカー被害にあっていることを連想させるコメントがでまわり、ファンは不安を募らせている。
記者は法律の専門家ではないのだが、現状報道されている加害者集団やその亜種である「アイドルハンター」と呼ばれている人間たちは、いきすぎたファンというだけではなく、個人情報を売買していたり、週刊誌に情報を売っているなど、かなり悪質な犯罪行為を行っているようなので、これが事実であれば刑事事件として成立するのではないかと思うのだが、どうなっているのだろうか?
現在のアイドルブームの火付け役であるモーニング娘。は、アップフロントエージェンシーというノウハウのあるきちんとした芸能事務所に所属しているため、少なくとも未成年においては、大きな事件は起こしていない。
またももいろクローバーも、同じくスターダストプロモーションががっちりと守っている。やはり、タガを外してしまったのは、AKB48ということになるというのが記者の見解である。
「会いに行けるアイドル」「握手ができるアイドル」ということで、接触型とも分類されるシステムは、しかし本来AKBの売りではなかった。記者の記憶が確かなら、劇場のセットが故障して公演が途中で不可能になったときに、苦し紛れに企画した、メンバーとの握手だか、ハイタッチ会だかが、思いのほか好評で企画化したものであったはずだ。
そのため、まだきちんとしたプロダクションに所属していないメンバーも握手会に出ることになり、一時預かりの機能しか考えていなかったAKSにとっては過分な負担となるセキュリティー管理の義務が生じたということだと理解している。
それでも、AKBや坂道といった、それなりに全国区の知名度を得て、収益をあげているアイドルは恵まれている方で、いわゆる地下アイドルや地方アイドルになると、メンバーのセキュリティなどハナから考えてもいない運営というのも数多くあるというのが現状なのだ。
おそらく、秋元康氏ですら、ここまでアイドルを取り巻く環境が悪化して、良かれと思ってやることが数倍の悪意になって跳ね返ってくるようになるとは考えていなかっただろう。
記者も、知り合いの多くのファンが、本当に心からアイドルを応援し、支えようと頑張っている姿を見て、その前向きな明るい面だけを見ていたいとは思う。
しかし、チケットやグッズの転売からはじまり、恐喝、詐欺、暴行とエスカレートしていった犯罪行為を、アイドルの存在が誘発しているという現状をもう少し正面から捉えて対応するべき時期に来ていると、本当に残念ながら思うのだ。
別に難しいことではない。アイドルの運営が、そのメンバーの安全面を確保するという部分のプライオリティーを上げることさえすれば、かなりの犯罪抑止力になる。
それができずに、接触商法で目先の金を稼がないと運営できず、そのくせファンとの個人的なつながりがあったメンバーをクビにしてネット雀のさらし者にすることしかできないというのであれば、その組織にはアイドルを運営する資格がないというだけだ。
例えば、坂道グループはオーディション前の説明会に現役メンバーを講師にして、志望者に心構えなどをレクチャーしている。こういう姿勢は非常に効果的だと記者は思う。
もちろん、運営やスタッフだけではない。アイドルになろうという子も、この職業の危険性を充分認識して、覚悟を持ってオーディションを受け、自分の一挙手一投足に責任を持つように心がけてほしい。
心のそこからアイドルの笑顔を楽しんで、夢中に音楽を聴ける環境が整うことを願ってやまない。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る)
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