ついに全貌を見せたトヨタ・スープラ BMW・Z4との共作はトヨタのお勉強?

2019年1月16日 14:15

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新型スープラ(日本仕様)(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

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 トヨタ・スープラが、ようやく正式にデビューしたこととなる。これまで、数々の情報が流れていたので新発表とは思えないが、これでトヨタは、本格的スポーツカーを復活させたことになる。2019年1月14日、米デトロイトでの北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で豊田章男社長自ら発表する力の入れようだ。

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 1月11日に開幕した「東京オートサロン2019」で出品された「GRスープラ SUPER GTコンセプト」など、レーシング一色のトヨタだが、今回スープラの開発に当たっては「BMWとの共同開発」が真の狙いなのだろう。BMW・Z4とプラットフォームやパワーユニットを共用とする企画にしても、この車は明らかにBMWだ。トヨタはその「開発プロセス」を勉強したようで、BMW各車が走行性能についてセダンやSUVであっても高いポテンシャルを持っている秘訣を会得したようだ。

 エンジン、サスペンションの味付けは、BMW、トヨタそれぞれ独自に行っているようだ。BMW・Z4はオープン、スープラがクーペとすみわけし、姉妹車であることを意識している。開発段階で目に付くのは、レーシングモデルが先に発表されていたことだ。これこそがBMWの持つポテンシャルの高さを保つ秘訣で、実用車開発でもレーシングカーを先に作り上げ、そのスペックを活かして実用車の設計をするため、秘められたポテンシャルが高いのだ。

 ともすれば、企画・設計では居住性などパッケージが先行し、走行性能は妥協せねばならない実用車の世界。それをレーシングカーの性能追及を先にすれば、走行性能が優先でパッケージングなどを妥協することとなる。それでも優秀な実用車に仕立て上げられる技術力が必要なのだ。

 これまでのトヨタ車の開発プロセスは、伝統的にマーケットリサーチの内容が反映され、優先課題となってきた。「商売のトヨタ」だった。そのため出来上がってくる製品は、実用性は高いが物足りない車となっていた。しかし、今後、許される限りBMWから学んだ設計ステップを取れば、自然と本来の走るクルマの理想を叶える完成度が期待できるだろう。

 「セリカXX」から始まったスープラの歴史だが、何となく漠然としたハンドリングも、新型スープラでは「切れ味鋭い」本物のスポーツカーとなっているのだろう。豊田章男社長のスポーツカー好きが、トヨタの車を根本から変え、再び日本国内でも走る喜びのあるクルマとなって自動車市場を活性化するのか、あるいは実用車一本やりの市場から、はじき出されるのかは、大変興味がわく。

 WEC(FIA世界耐久選手権)の王座、さらにWRC(世界ラリー選手権)を制したトヨタは、紛れもない技術先行のメーカーとなったのだが、「技術のトヨタ」とは言われない不思議が続いている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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