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シニアの消費意欲、今後の動向は
あおぞら銀行と上智大学ではシニアの消費意欲に関する研究を行っていた。全体的な消費意欲は2017年に比べて18年の方が高まり、性別による動向の差も窺えた。[写真拡大]
日本の景気は回復してきていると言われるが、実際にその恩恵を受けられる人はごく一部に限られている。多くの人は財布の紐をなかなか緩める事ができずにいるだろう。バブルの時代とは打って変わり、特に若い世代の多くが堅実な生き方をしている傾向が見られる。
そんな中でシニア層の消費動向を調査したのがあおぞら銀行と上智大学だ。2017年2月より共同で研究を始め、シニア層による消費意欲に関して17年と18年の比較結果も出されている。
全体的に見ると17年に比べて18年の方がシニアの消費意欲は高くなっているものの、レジャーに対する消費意欲は18年の方が低下した。18年の方が高くなったのは旅行や耐久消費財への消費意欲だ。特に耐久消費財については目立った上昇を見せた。その背景の一つとなっているのは夏場の高い気温だろう。18年は災害レベルとまで言われた猛暑となり、無理に暑さを我慢し続けることで命の危険にも繋がるような状況となった。そのため耐久消費財等の買い替えとして良いタイミングであると考える人が大幅に増え、エアコンのような冷房器具への消費意欲が高まったと推測できる。来年以降も異常なまでの猛暑が続けば、耐久消費財への消費意欲は更に増していく可能性もあるだろう。
この研究によって分かった事は他にもある。消費者を男性と女性とで区分したとき、常に男性よりも女性の方が顕著な消費意欲の高さを見せている事だ。調査で分かったシニアの消費意欲は、「あおぞら上智シニア消費指数」との名付けたうえで数値化された。調査開始以降、この消費指数の平均値は37.0だったことが分かっている。また、これを男女別で見てみると女性は 39.1 である。それに対して男性は 34.8 に留まっており、性別による消費意欲の差がある事も判明した。
消費項目に関する設問の中で特に男女差が目立ったのは、「1ヶ月以内に友人と外出するつもりだ」という回答である。シニア消費指数は女性の平均が 53.1であり、対する男性は 37.5である。明らかな消費意欲の差が見られたのだが、外出の一部として捉えられる「旅行」という項目では性別による消費意欲の差が生まれない。「日常的な友人との外出」となると、男性よりも女性の方が積極的な意欲を持ちやすいようだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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